AIは「心」を持てるのか 脳に近いアーキテクチャ

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AIは「心」を持てるのか 脳に近いアーキテクチャ

  • ISBN:9784822285401

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内容説明

AI(人工知能やロボット)の歴史や現状を踏まえながら、AIと人とのかかわりを分析した解説読み物です。AIは人間の仕事を奪うという悲観論でも、夢物語でもなく、冷静に分析します。テクノロジーに偏ったり、感覚に訴える感情論でもなく、AIの在り方を探ります。

本書を貫くテーマは「AI・ロボットは人類を救うか?」です。これに対する著者の考えは、人類を救うためには、「心を持ったAIがカギとなる」というものです。処理能力の向上、扱えるデータの大容量化、テクノロジーの単なる組み合わせだけでなく、脳に近いアーキテクチャの進化が必要になると考えています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

39
人類は、木から下りて道具を持ってから多くの特異点を乗り越えてきた。自分より賢い知能を作れるようになるのも時間の問題。AIは人類の知のジグゾーパズル。アリストテレスの三段論法やデカルトの「我思う故に我あり」などの哲学に始まり、文学、科学、工学などの各分野の天才らによりピースが作られていた。完成形が見えだしたのは、暗号解読と弾道計算の戦いといわれた第二次世界大戦。優秀な頭脳と巨額の資本の集中投下により生じたイノベーションは冷戦に引継がれた。AIは人類の知の集大成。避けることができない次のシンギュラリティだ。2016/12/17

禿童子

36
本文が450ページとボリューム感があるので、AIを夢見た人類の歴史を叙述する第1部を飛ばして、第2部から読んだ(それでも300ページ超!)。多彩な例を交えた盛り沢山の内容をきっちり読ませるのはサイエンスコミュニケーターとしてのザルカダキスの手腕。プラトンのイデアとアリストテレスの形質と質料からデカルトの心身二元論、その末裔であるコンピュータのソフトウェアとハードウェアの分離まで一つの線上に示す喩えが卓抜。水槽の中の脳髄やダウンロードによる不死化も脳(形質=魂)と身体(質料=物質)という二元論の亡霊と喝破!2019/07/31

おりん

26
面白かった。が、付いていくのが少々難儀だった。意識が生まれるためには自己言及性、自己認識が不可欠だというくだり、そして論理的な言語を使っている、現在主流のコンピュータではaiに意識を持たせることはできないというくだり、そして現在のコンピュータを極める方向よりも、脳を模してニューロモーフィックコンピュータを作るアプローチの方が、意識を持ったAIを作り出せる見込みがあるというくだりが面白かった。心・意識をaiに持たせるためにはそれについて知らなければいけないわけで、膨大な知識が必要なんですな。2018/12/09

zoe

19
メモです。[原題] In Our Own Image, will artificial interigence save or restroy us? 現在の産業界は、エキスパートシステムの構築を目指す。例えば医療エキスパートシステムは、人間の医師がするのと同じように、患者のバイタルサイン、治療歴、その他の検査結果や測定値を与えられると、コード化された知識を論理的に使ってデータを処理し、治療方針を判断する。フランシス・クリック。脳内には自己認識となっている脳内メカニズムがあるはずだ。2019/01/01

Shin

16
仕事でもAIやロボットやをどう考えるのか、という話をすることが多いのだけれど、なんだかその議論がとても表層的で意味のないように思えて仕方がなかった。AIについて考えるとき、我々はおそらく〈人間〉について考えねばならない。人間について考えるということは、哲学や進化や認知や言語や論理や感情の本質と限界についての刺激的かつ苦痛に満ちた思索を重ねざるを得ないだろうとも思っていた。いくつか類書をあたってみて、この本は群を抜いて良いと思う。正直理解が置いてついていない部分も多く消化不良ではあるが、間違いなく良書。2019/06/16

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