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内容説明
フランスの歴史を注意深くひもとくと、正史にはめったに登場しない魅力的な奇人・変人に出会うことが出来る。国王、国家、法制度等への反逆であったり、その逆に忠誠であったりと、その逸脱した人生は様々だが、彼らに共通しているのは、自分自身の生き方に徹した反骨の精神である。そして、世間に逆らって自分を貫いた人間たちには、どこかしら時代を超えた普遍性が感じられる。本書は、その中でも極めつきの、それでていて日本ではほとんど紹介されていない四人の人物、モンテスパン侯爵、ネー元帥、犯罪者詩人ラスネール、死刑執行人・六代目サンソンを取り上げる。【目次】まえがき/第一章 モンテスパン侯爵/第二章 ネー元帥の悲劇/第三章 犯罪者詩人、ラスネール/第四章 六代目サンソン/あとがき
目次
まえがき
第一章 モンテスパン侯爵
第二章 ネー元帥の悲劇
第三章 犯罪者詩人、ラスネール
第四章 六代目サンソン
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
13
反骨というタイトルワードは賛否あるようですが、語感からくる印象と微妙にずれが大きいのはラスネールでしょうか。他の三人は「他者」に忠実なところが大きい気がします。ラスネールの場合には、自分の才能を活かさない社会へのルサンチマンが強すぎるので、「反骨」を貫く場面に今一つ共感できないのは評者の感性が乏しいからであるとは思います。六代目サンソンの例で、職業が個人の感情に与える影響ー世襲を求める圧力がある場合ーは、遺伝的因子が良好ならばストレスから回避されることもある一方、かえって陰に働くという点は腑に落ちました。2021/06/20
noémi
13
強烈な反骨精神で世に抗って生きた変人四人の生涯が収められている。ルイ14世の寵姫夫のモンテスパン侯爵。ナポレオンに付き従って『勇者の中の勇者』と讃えられながら銃殺されてしまうネイ将軍。そして溢れるような才能がありがら、不運に見舞われ、最後に殺人を犯し、それを手記にして最期の二か月だけ「時の人」となり得たラスネール。そして「イノサン』で有名なサンソンの孫、六代目のアンリ・クレマン。彼は先祖よりはよほど繊細な神経をしており、彼はなんと処刑人を罷免された! 読むほどに「真実は小説より奇なり」と実感できる。2017/09/15
鐵太郎
10
フランスの歴史を調べていく中で、こんなふうな心惹かれる変人たちを発見したので、この本にまとめて見たのだそうな。モンテスパン侯爵ルイ・アンリ・ドゥ・パルダヤン・ドゥ・ゴンドラン、ミシェル・ネイ、ピエール・フランソワ・ラスネール、アンリ=クレマン・サンソン、など。とはいえ、変人かもしれないけど反骨といっていいものやら。歴史の中の面白い人をピックアップしてみました、という程度ではないかな。これだけでなくもっと面白い人を紹介してもらいたいけど、いかがでしょうか? 2010/05/18
M2
6
読みきるとタイトルに秀逸さを感じる。 当時を生き抜いてきた彼らには失礼だが面白い。2021/05/07
こにいせ
6
これは面白い!『死刑執行人サンソン』といい、この著者の評伝には外れなし!フランス近世期の、時代の波に浮き沈みしてゆく四人の人物伝。私なんかは本書で紹介されている人たちは、反骨心旺盛で面白いと思うのだが、登場人物たちはどこか喜劇的で、悲劇的である。太陽王・ルイ14世に奥さんを寝とられて逆らった男、モンテスパン侯爵の回が特にオススメ。文章も抜群だ!2010/02/27