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内容説明
現在の日本には一匹の妖怪が徘徊している--新自由主義(グローバリズム)という妖怪が。
グローバル化が進む現代資本主義社会において、最も恐るべきは新自由主義という、経済政策のみならず、社会全般を支配するイデオロギーである。
米国、韓国の失敗を検証し、新自由主義を拒絶するヨーロッパを例にしながら、世界経済を蝕む新自由主義を徹底批判する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッキー・ダック
25
新自由主義(グローバリズム)が如何に恐ろしいかを徹底的に解説。それは米国の金融界・巨大企業に富を集中させるための仕組みであり、彼らが政府を支配しているが故に、米国自体が弱体化し、それに支配された韓国も衰退した。対米隷従の安倍政権も新自由主義路線で日本を破滅させようとしているという。一方で、水野氏のような「ゼロ成長論者」も批判。投資による経済成長なくして福祉社会は実現できず、またアベノミクスの緊縮財政・金融緩和・規制緩和では経済成長できないことを詳しく説明している。非常に分かりやすく勉強になった。 2015/09/07
金吾
20
○私は小泉さん以来の政治家や官僚は国民を貧民化して、上級者としての立場の逆転が将来的にも起こりにくいようにしようとしているのではないかと邪推すらしています。故に著者の新自由主義に対する批判はほぼ同意できます。しかし具体的処方が「それかい?」と思いました。2024/11/11
まゆまゆ
6
新自由主義=グローバリズムという名の考え方が登場して30年あまり。一部の資産家に富を集中させるために、国策を誘導し改革という名の破壊を行ってきた結果が現代社会である。日米とも公共事業による政府支出によって景気を支えてきた歴史があるのに、新自由主義政策であるアベノミクスはこれを否定しているとデータをもとに明確に否定する内容。成長によって国民負担率を下げ景気を回復する…という政策は果たして実現性はあるのか……2015/11/24
ATS
4
★★☆ななめ読み。最近読んでいた反緊縮系の本のまとめのような感じだった。やや難しいところもあるかなと思うので、『「10%消費税」が日本経済を破壊する』や『奇跡の経済教室【基礎知識編】』などを先に読んでおくと理解がしやすいように思った。日本の財政赤字を減らす(または維持)するには節約して支出を切り詰めるか(緊縮)、財政出動などによって経済成長を誘発し収入を増やすか(積極財政)の二通りがある。デフレ時に緊縮は過去の歴史みれば取ってはいけない方策ではあるのは自明。しかし日本はこれを続けているのは悲しいことだ。2019/06/21
紫砂茶壺
3
新自由主義的政策の問題点を知る上で論点がまとまっており参考になるが、それを踏まえた上でどういった政策を取りうることができるか論じる段になると、「中国を敵視するな」「絶対的平和主義」「田中角栄マンセー」のように主張しだして途端に雲行きが怪しくなってくる。要は昭和の高度成長モデルに帰れと言っているだけのような気がして、過去の成功体験にしがみついているだけなのでは?と思った。2021/05/01