内容説明
数学に無限は付きもののように思えるが、では無限は数なのか?数だと言うならどのくらい大きい?実は無限を実在の「モノ」として扱ったのは19世紀の数学者、ゲオルク・カントールが初めてだった。カントールはそのために異端のレッテルを張られて苦しみ、無限に関する超難問を考え詰めたあげく精神を病んでしまう……常識が通用しない無限のミステリアスな性質と、それに果敢に挑んだ数学者群像を描く傑作科学解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
219
無限って怖いよねー(以上)。無限について研究し、多くの発見をしたカントールは何度も精神病院に入院したそうな。屈強な数学者であってもだからね、備に証明を説明すると著者も気が狂うし、読者から死人が出かねないので、答えだけ提示されてもやるんだ。致し方ない。後は置いて行かれる一方さ。ははー。無限怖い。無限には(多分集合として)大きい無限と小さい無限があるとかね。どう言う事よ。少数と少数の間とか分数と分数の間に無限に数値があるとか、超怖いのよ。א(←アレフ)。2020/05/20
kaoru
83
人類は数学者も宗教者もともに「無限」への考察を試みてきた。ピュタゴラス、ゼノン、エウドクソスからガリレオ。やがて19世紀のゲオルグ・カントールが集合論を考察し数の概念を拡張し「実無限」を提唱するに至った。だが数学者クロネッカーからの妨害もあり、「連続体仮説」の証明に行き詰った彼は精神を病んでいく。彼に続いた天才クルト・ゲーデルもまた然り。カバラの書が示唆するように無限の探求は人間には許されないのだろうか。現在「連続体仮説」は今の数学の公理系では証明できないとされているようだ。だがカントールの言葉を→ 2022/07/17
へくとぱすかる
42
ガモフの本で知った中学時代から、ずっと心に留めていた無限論。カントールの伝記ともいえる本書から、「無限」の魅力の恐ろしさを感じた。連続体仮説の真偽は、現在の公理系では「謎」だが、公理系の方をいじることは、真偽の基準を動かすことに通じないだろうか? そうすると証明の意義は? どこまで行っても知りたい核心に到達できない事態に、分析哲学との類似性を連想した。2015/09/15
coco夏ko10角
34
カントールのことをもっと知りたくなって手に。無限について考えると頭の中ぐるぐるしてくる…数学者達は本当にすごい。不完全性定理に関する本は読んだことがあったけどゲーデル本人については初めて知ることばかりで興味深く。私なんかには難しい部分も多かったけど、読んでてとても面白かった。2016/11/13
nbhd
27
こんな数学本は初めてだ。理解とか新しい知識への感動ではなくて、情緒のぶぶんに引っかかって胸が熱くなり、実際ちょっと涙ぐんでしまった。「無限」に挑んだ数学者カントールの伝記。「果てしない無限」の概念を、数学的にあらわそうと尽力したカントールだけど、時の権威(にっくきクロネッカー!)にディスられ続けて、ついには精神を病んでいく。具体的には”数学研究を放棄して、突然に思想家ベーコンとシェイクスピア同一人物説を唱えはじめた”というぐあい。その狂気に至る過程が胸に迫って、しぜんと泣けてきてしまった。2016/02/25
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