内容説明
もっか3浪の身であるおれは、隣りのおじさんに頼まれて、絞殺事件に関わった。現場は内部から完全に施錠(せじょう)したサンルーム。被害者には愛人が存在し、しかも最近、多額の保険金を掛けられていた。おれは密室の謎を解くべく推理を展開するが、なかなか物証が得られず途方(とほう)にくれる。やがて第二の事件が……(表題作)。奇抜な着想とトリックで読者を魅了する傑作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーコ・オクダ
30
つい先日読んだ短編集に入っていた1作品がカブってたwこの1本の他に9本収録。キャラや場所の設定がバラエティに富んでいて読者を飽きさせない。うちのお気に入りは、小学6年生が尊敬し、大好きやったパパを殺した犯人を探す「青い蜜」と、麻薬取締官がセスナ機と自動車教習所との間で交わされる暗号を読み解き、麻薬王一味と対決する「黒い海の花」。前者は、少年探偵モノやけども大人の事情がしっかり踏まえてあり、イージーな感じでないのが良い。後者は、単にアクション前面押しなわけではなく、ピリッとしたどんでん返しもあるのが良い。2020/03/23