集英社新書<br> ナショナリズムの克服

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集英社新書
ナショナリズムの克服

  • ISBN:9784087201673

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内容説明

在日の立場から、長年、「日本」について鋭い批判と分析をつづけてきた姜尚中と、オーストラリア在住の国際的博奕打ちで作家の森巣博という、異色の対談が実現しました。テーマは1990年代以降、日本に吹き荒れている、ナショナリズムの嵐です。第一部で、日本型ナショナリズムの歴史を通観。第二部で、グローバル化によって変質する国民国家像と、国境なき後の世界の未来について、刺激的な意見交換を繰り広げます。国家とは何か、民族とは何か、故郷とは何か。本書は、ナショナリズムを理解し、何者をも抑圧しない生き方を模索するための入門書です。【目次】第一部 ナショナリズム・自由をめぐる対話――東大教授、豪州博奕打ちに会いに行く/序章 石原慎太郎の「中国人犯罪者民族的DNA」発言を容認してしまう空気は何か?/第一章 姜尚中教授の特別課外授業スタート! 講座名はズバリ、「日本ナショナリズム小史」/第二章 知られざる在日韓国・朝鮮人二世の青春――経済ナショナリズム体制下の、姜尚中の個人的体験/第二部 グローバリズム・故郷をめぐる対話――豪州博奕打ち、東大教授に会いに行く/第三章 知られざる和製イージー・ライダーの青春――グローバリズムの渚における、森巣博の個人的体験/第四章 民族概念をいかに克服するか/終章 無族協和を目指して/あとがき/人物・用語解説/推薦図書、厳選二十一冊!

目次

第一部 ナショナリズム・自由をめぐる対話――東大教授、豪州博奕打ちに会いに行く
序章 石原慎太郎の「中国人犯罪者民族的DNA」発言を容認してしまう空気は何か?
第一章 姜尚中教授の特別課外授業スタート! 講座名はズバリ、「日本ナショナリズム小史」
第二章 知られざる在日韓国・朝鮮人二世の青春――経済ナショナリズム体制下の、姜尚中の個人的体験
第二部 グローバリズム・故郷をめぐる対話――豪州博奕打ち、東大教授に会いに行く
第三章 知られざる和製イージー・ライダーの青春――グローバリズムの渚における、森巣博の個人的体験
第四章 民族概念をいかに克服するか
終章 無族協和を目指して
あとがき
人物・用語解説
推薦図書、厳選二十一冊!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッキー・ダック

16
2002年刊。姜氏の前年の著作『ナショナリズム』の概要と、姜氏・森巣氏の個人的な体験を対談で紹介。民族とは、多数者が国民国家の共同幻想を維持するために、抑圧・収奪している少数者に付けた汚名だとし、民族を超越した「無族協和」を唱える森巣氏の鋭い舌鋒が魅力的。少数派の在日としての内側からの視線と、国際人としての外側からの視線を交錯させることで、多数派の国民には見えない日本のナショナリズムの構図を炙り出す。戦前の国体ナショナリズムの存続も戦後の経済繁栄も、敗戦時の日米談合の結果だという姜氏の指摘には納得。 2014/12/22

原玉幸子

3
人文科学・政治学の問題をいっぱしに語るには、網羅すべき課題図書が多いので、ぞっとしますが、(私が知らなかった)森巣博氏との対談形式の本書は、姜尚中氏の思想背景が解り、学術的な前書『ナショナリズム』(◎推奨)に「肉付け」するのに最適です。私は天皇制反対且つ日本への移民受入れ賛成派ですが、彼らの移民受入れ、難民100万人と構想することを読めば、自身の学術的な知識や思想がちょろくてしょぼいことを思い知ります。(◎2018年・冬)2020/03/26

脳疣沼

3
日本民族なんてない、フィクションだって言うのだが、何年たってもそこにある日本民族という存在。姜尚中も朝鮮民族としてのアイデンティティを本当に捨てられるのかどうか。差別を無くすために日本民族の解体までする必要あるのか疑問だ。百万人の難民を受け入れろとかも、どうしてそう軽々しいのか。読んでいて怖くなった。そうやって外国人をどんどん入れて日本民族なるフィクションを実質的に崩壊させることで、少数者の住みやすい素晴らしき国家ができるらしいが、まさに結果を恐れぬ博打打ちと机上の空論のインテリって感じ。2017/01/24

がんぞ

3
森首相を小馬鹿にしたエピソードで始まる点から見ても真面目な本ではないらしい。ギャンブラーと在日コリアンでは天皇陛下に認証された首相への敬意が無いのもやむを得ないかも知れないが、与太話をしたところで『克服』にはつながらない。政治学者と言いながら姜は金大中をリスペクトした『リーダーは…』でも韓国政治の暴力性を無視している。ナショナリズムを克服すべきは韓国だろう。韓国に帰化せず通名を使わないことを選択した姜の息子は名字のため小学校でいじめられ、青年になって自殺したというエピソードも週刊文春には書いてあった。2012/02/22

sansirou

3
森巣博とカンサンジュンのトークという形で、「ナショナリズム」というものを考えている。森巣博は自分でも言っているように極端なので受け入れられないことも多いが、非常にシンプルにものを考えることができるので、爽快な部分もある。結論として、五族協和ならぬ「無族協和」という考えが気に入った。2013/02/26

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