内容説明
いつだって土作りや水やりのことで頭がいっぱい。そんな園芸家たちの〈あるある〉を愛情たっぷりに描く超ロングセラー園芸エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
89
チャペックの文章は、とにかく面白い。まじめにやってるの?と言いたくなるようなおふざけ満載でありながら、土や雑草、農機具に対するちょっとしたいらだちなど、土いじりをしたことのある者なら「そう、そう」と頷いて共感せずにはいられなくなる。書かれたのは、ナチが台頭し始めた頃。チャペック兄弟は、暗い世相もあって、こんな底抜けに明るく誰もが共感できる作品を描きたかったのか。イラストを描いた兄は、強制収容所で死亡。2021/04/13
NORI
22
"園芸家の生態"を詩的でユーモア溢れる文章で綴った一冊。 「園芸家はまっすぐに、威厳をたたえて立ち、給水栓の口から噴出する水を支配する」いや、オッサンが庭に水を撒いてるだけですけどね。この面白さは、チェコ人である著者の文章力によるだろうが、同時に、訳者のセンスも大きいのかも。 庭に少し花を植えたり野菜を育てる程度で、とても園芸家を名乗れる水準に無い私でも笑えるあるあるネタ。もっと真剣に園芸に取り組んでいる方だったら、もっともっと共感できそう。「はにかむ葉よ、恥ずかしがるな。たたみ込まれた葉を広げよ!」2024/09/16
ロビン
21
中公文庫版を読んで以来の再読。素人園芸マニアの著者による、園芸家という生き物の業の深い(?)生態を描いたユーモア溢れる名エッセイに、兄ヨゼフのチャーミングな挿絵が文字通り花を添えた楽しい一冊。エデンの園に行けたなら、知恵の実よりも土を持って帰りたい、という病膏肓に入った妄想や、余人は嫌がる堆肥の匂いに陶然とするなど、園芸家の狂騒曲にクスクス笑ってしまう。しかし、本書が戦時の抑圧された環境下で著述され、兄弟がファシズムに抵抗していたこと、そのためにヨゼフが強制収容所で死去したことを思うと厳粛な感慨を覚える。2020/01/22
あや
20
30代の時書店員を辞めて2年くらい無職だった時があった。その頃園芸にはまった。お花屋さんから気に入った鉢を買ってきて如雨露にまでこだわりベランダを華やかにした。仕事をしていないという後ろめたさを埋めるのにはちょうど良い趣味だった。本書は初カレル・チャペック。挿絵も豊富な楽しい園芸エッセイ。ただ私は2月ですでに挫折した。園芸家がいかに大変かという愚痴なのである。もっとお花の咲く歓びにフォーカスしたものであってほしかった。読み進めればそのような記述に出会えたかもしれないが読み進められなかった。記録用です。2026/04/22
Sakie
16
再読。自由にできる地面を手に入れた途端、私は飽かず眺めては、ああするのはどうだろう、ここはどうしたらいいだろう、あの木は植えたい、これも植えたい、植える場所がまだ決まってないのに球根が届いてしまった、枯れ木のような枝をいつまでもにやにや眺めている、他所様の田畑の草花が羨ましい、など、それはもうチャペックの描くアマチュア園芸家そのものに他ならないのに気づいて、微笑ましく思うのだ。しかしそこには自然に通じるなにか深遠なものがあると、これもこの歳になって気づいたことだ。『一年じゅう春であり、一生、青春時代だ』。2024/03/19
-
- 電子書籍
- 90歳、男のひとり暮らし(新潮選書) …




