平凡社ライブラリー<br> 愛書狂

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平凡社ライブラリー
愛書狂

  • ISBN:9784582768114

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内容説明

「稀覯本余話」「愛書家地獄」「ビブリオマニア」――19世紀フランス、古本道楽黄金時代のフローベール、デュマら、名だたる書物狂いによる〈書痴小説〉アンソロジー。本の病は不治の病。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kasim

37
モノとしての本の蒐集に人生を賭ける人びとを描いた19世紀の5短篇を収めたアンソロジー。デュマが劇場で隣り合わせた紳士が夢中になって読んでいる『仏蘭西風菓子製法』。お菓子好きかと思いきや、それはエルゼヴィル版という稀覯本で、版の異動について事細かな講釈を聞かされる羽目に。創作かと思ったら、何とこれがノディエで、次に収録されているのは彼の短篇。他の作品にも彼を含め同じく実在の愛書狂が繰り返し登場する。一冊読み終わる頃には、エルゼヴィル版を知らなかった自分は何と無教養なことか、という気分にさせられてしまう。2020/11/03

かわうそ

29
表題作を除くとお話としてはそんなに面白いものではないんだけど、ビブリオマニア達の生態には笑うしかないという感じで終始ニヤニヤしながら読みました。個人的には集めるより読む方にシフトしたいなあとか思ったり。2015/01/20

やいっち

27
蔵書家でも愛書家でもない。ただ、本に限らず電子化が進む今日、少なくとも本については、可能な限り紙の本、表紙やカバーや、帯などのある本、装幀も含めた本を大事にしたいと思う。昨今の作家はともかく、昔の作家は、書籍の形で読まれることを前提に創作していたと考えられからだ。2018/08/25

壱萬参仟縁

24
1980年初出。適度なスケッチがあるので、好感が持てた。ノディエ「ビブリオマニア」のボン=ザンファン街の文芸市場の挿絵では、リアカーに本が載っている(68頁)。物売りのような感じで街行く人に見てもらっていたのだろうか? いや、そうではない。シルヴェストル競売所が1789年設立。書籍の競売。ノディエは2度蔵書を処分したようだ(訳注210頁37)。僕も死ぬのがわかれば、自宅の少ない蔵書は図書館に全て寄付してもいいかもしれない。    2014/08/27

ykshzk(虎猫図案房)

16
果たして本の価値とはどこに?実際、本は怖いもの。一番大事な、書かれている内容が全く分からなくても「所有したい欲」を刺激してしまうのだから。どこそこの印刷所版、初版、装丁の美。コレクター魂をくすぐるに十分な条件が揃っている。自分でも思い当たる。読めるはずも無い難書を本棚に並べて賢い自分を錯覚したり、古本で手に入れた途端に興味が無くなったりするような、物欲や自己満足だけのイタイ蔵書。話が面白い!という本では無かったけれど、本という物のために冷静さを失う愛書狂達の姿は、悲哀漂う。 2020/01/23

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