内容説明
五稜郭の戦いの敗者榎本が、ロシア公使の任を終えてシベリア回りで帰国。明治の気骨が見た北の大地の風景、産業、民俗等の記録を、原文の品格を失わない現代語訳と懇切な注で読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
横浜中華街2024
16
榎本武揚は特命全権公使として1874年に当時のロシアの首都サントペテルブルクに赴任し、4年後に帰国する際にシベリアを陸路と川路を使って横断した。本書は1878年の7月から9月のウラジオストックまでの旅行記である。榎本は旅の間、シベリアのさまざまな事柄を子細に記録しており、当時の様子を知る貴重な記録となっている。榎本はオランダ語だけでなくドイツ語と英語にも堪能な教養人で、現地の食文化や自然・地理、言語など関心は多岐に渡る。イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を彷彿とさせる内容になっており一読に値する。 2023/08/08
osakanazuki44
2
榎本武揚。ロシアから日本に帰国する際の日記。民族・地理・漁業・農業の観察が細かい。2021/03/02
HTたまにYN@ぬ 積読消化中
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拾い読み完了。★評価は後日2013/08/28
sataz
0
明治11年、ロシア駐在の帰任にシベリア横断ルートを選んだ榎本。その後の歴史から軍事的意味合いを含んでいるのかと思ったら、そうではなく、好奇心や北海道開拓に生かせないかということだったよう。鉄道はシベリアに入る前くらいまでしかないので、半分川の汽船で半分は馬車。出来事の羅列なので、読むのに時間かかったが、未開な街・素朴な人の様子は興味深かった。2012/09/08