講談社文庫<br> わんぱく天国

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講談社文庫
わんぱく天国

  • ISBN:9784062931861

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内容説明

戦争の影がせまる昭和10年代、横須賀にある「天国」のような塚山公園は、最高の遊び場だった。違う地域に住む少年たちは「天国」を巡り敵対していたが、めんこ対決をきっかけに、ひとつの目的に向かって走り始める。それは、大ブームだった一銭飛行機をみんなでつくること。しかも「ヒトの乗れる一銭飛行機をつくろうぜ!」というものだ。子どもたちの「遊び」が文と絵で甦り、戦争についても考えさせられる自伝的名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

imagine

9
横須賀安針塚のスタンド・バイ・ミーみたいな話。著者の体験が色濃く投影されているせいか、メンコや駒回し、飛行機作りといった遊びを、丁寧に図解付きで説明してくれる。ストーリー性よりも民俗学の考察を目的とする読み物かと思ったが終盤、搭乗可能な自作飛行機製作に挑戦する子どもたちに興味津々。一気にストーリーに惹き込まれ、離陸シーンに感動。それだけに、登場人物のその後を示すラスト11行は堪えた…。「遊びの本質」を切り口とした解説も秀逸。2018/11/05

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

7
「コロボックル」シリーズの作者とイラストレーターのコンビによる昭和10年代の子供たちの遊びを主とした日常を描く物語。少し年下の少年が対立する二つの地区の子供たちのグループと様々な遊びを通して仲良くなり、そして子供たちは自分たちだけで飛行機を作ろうとするのだった。当時(から三十年たった頃まで)の子供たちの遊びについて図解も交えながら説明していて興味深い(自分はギリギリそれらの遊びが廃れた後にやってきた子供だった)。後半の秘密基地めいた子供たちだけが知る場所での飛行機作りもワクワクするが、最後は少し切ない。2015/09/09

たいしょう

4
青い鳥文庫版を持っていたがぼろぼろになるまで読んだので購入。私の時代より一世代前の話だが、自分の子どもの頃が蘇って来てワクワクする。凧作り、独楽、めんこ、虫採り、魚とり…したなぁ。あの頃はずっと外で遊んでいた。8時くらいまで外で遊んでいて母親に怒られたっけ。同時にあの時代は年上の子どもが年下の子どもの「面倒」も見たし、子どもの中の知恵や技を伝承させていた。そういうのが今はなくなってしまったなぁ…としみじみと思う。子ども時代がキラキラしているのは平和あってこそ…と、最後の記述が声高ではないが鋭く語っている。2018/02/21

sidmar arai

4
佐藤さとる(作)と村上勉(絵)。誰も知らない小さな国〜コロボックルシリーズのコンビで描いた少年たちの物語。 横須賀の按針塚の自然を舞台にせっこう遊び、メンコ、一銭飛行機、凧上げ、コマ回し、そして自作の大きな飛行機制作まで。わんぱくでも乱暴なわけではなく、仲間を尊重しつつ、勝負するところは勝負する、そんな子供の世界。 子供向けに書いたものなんだろうが、いい大人が読んでも違和感なく物語に没頭できる。 「でも今回はファンタジーではないのか」なんて思っていたが、最後にとんでもない仕掛けが用意されているよ。2015/08/19

tekateka

4
 「コロボックル」シリーズとともに、今後永遠に読み継がれてほしい名作。絶版になっていたのをずっと悲しんでいたので「復刻版」を出していただいて感謝、感激。佐藤さとる先生、いつまでもお元気でいらして下さい。  読んだだけではわからない「遊び」が多いながら、とにかくワクワクしてしまう。僕もこの子達の一員になりたい!!と本気で願いながら読んだ30数年前の自分を思い出した。そして、最後の1ページに胸が張り裂けそうになったことも・・・。  現代そして未来のこどもたち、みんなに読んでほしい。2015/08/16

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