創元推理文庫<br> もう過去はいらない

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創元推理文庫
もう過去はいらない

  • ISBN:9784488122065

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内容説明

88歳のメンフィス署の元殺人課刑事バック・シャッツ。歩行器を手放せない日常にいらだちを募らせる彼のもとを、アウシュヴィッツの生き残りにして銀行強盗イライジャが訪ねてくる。何者かに命を狙われていて、助けてほしいという。彼とは、現役時代に浅からぬ因縁があった――犯罪計画へ誘われ、強烈に断ったことがあるのだ。イライジャは確実に何かをたくらんでいる。それはなんだ。88歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。大好評『もう年はとれない』を超える、最高に格好いいヒーローの活躍!/解説=川出正樹

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

371
前作では感じた前半の退屈さが今回はない。それどころか、いきなり序盤で銃をぶっ放して若者を地獄送りにする。レビューを見る限り、モラル面で嫌悪感を抱く読者も相当数いるようだけれども、そういう「ありえねー!」を楽しむものだと思えばまずまず。随所に高齢者らしい含蓄ある台詞も挟み、過去章の五体満足な荒くれっぷりもスパイスになっていてダレずに読めた。課題としては、前作同様に本筋の事件がヒネリがなく単調なこと。対決の締めくくり方もいいんだか悪いんだか、なモヤモヤが残る。2018/04/11

紅はこべ

114
考えてみれば、ユダヤ人がミステリでプロの犯罪者を演じるって珍しいかもしれない。何となくユダヤ人は金儲けの才があり、犯罪に手を染める必要がないような印象があるから。先の大戦でナチスからユダヤ人を救った筈のアメリカ人が、本国では迫害する側に回っている。アメリカの闇だ。バックの法や社会への不信感が根強いのも仕方ない。冒頭のバックと施設の女性総務部長のやり取りは楽しかったが、その後はバックの減らず口もやんちゃな行動も前作の精彩はやや欠いているように感じた。でも面白かったです。2016/05/07

sin

112
移民の国アメリカが抱える人種差別という病根…作中主人公の主義として語られる犯罪者に対する「悪をなすことを選んだモラルの代行者などではない…云々」という考え方の先には、ともすれば人権や境遇という綺麗事に隠されてしまいがちな人間の悪の本質を暴き出そうとする姿が垣間見える!そこには黒人や白人という人種は一切関係ない。ただ一途に正義を求める諸刃の拳銃…それこそ彼の依って立つ処なのだろう。そして正反対に位置するイライジャの存在がこの作品で彼の信念をいっそう際立たせている。2017/02/24

102
88歳の歩行器付きのお爺さんが大暴れ。前作程ではないけど痛快です。民族問題はそこまで理解できないけど面白かったです2021/09/15

タツ フカガワ

78
シリーズ2作目。強面の元刑事だったバック(88歳)のところへ78歳の元銀行強盗のイライジャが、何者かに命を狙われているので守ってほしいと訪ねてきた。44年前、完全防備の銀行金庫から17万ドルが盗まれた。イライジャが犯人とわかっていたバックだが証拠は皆無で逮捕に至らなかった。現役時代、31人を銃撃、うち12人が死亡というバック刑事にハリー・キャラハン刑事が重なる44年前の姿も面白いが、巧妙に練られた罠が最後に明らかになるラストが秀逸。欲を言えば、もっと孫テキーラの活躍も見たかった。2024/02/01

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