内容説明
ソ連邦末期、世界最大の版図を誇った巨大帝国は、空虚な迷宮と化していた。そしてゴルバチョフの「改革」は急速に国家を「自壊」へと導いていた。ソ連邦消滅という歴史のおおきな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか。大宅賞、新潮ドキュメント賞受賞の衝撃作に、一転大復活を遂げつつある新ロシアの真意と野望を炙り出す大部の新論考を加えた決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
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第38回(2007年)大宅壮一ノンフィクション賞。 ソ連帝国 自壊の物語である。 ゴルバチョフ、エリツィン等が崩壊に至る 過程でどう動いたのか.. 会話中心から 得られるエピソードは 真偽はよくわからないが、興味深く、特に 友人サーシャからの情報が、ソ連崩壊の展開に 厚みを持たせる…断片的な報道では わからなかった 過去が 蘇る本だった。2017/08/16
ehirano1
81
第七章。アントニオ猪木さん、結構仕事してたんですね。しかも、ロシア高官に向かって『なんだこの野郎ー』でwww。見直しました。2017/03/12
ehirano1
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六章における「スヒチーヤ(本源力)」が印象に残りました。スヒチーヤの意味は”森羅万象を生起、消滅させる本源的な力”だそうで、アニミズム(自然崇拝)である当方には少々畏れ多いです。歴史の転換期などでは「破壊のスヒチーヤ」が顕在化するというのは分かり易いのですが、日常を暮らす当方等は「スヒチーヤ」を日々如何に使うかが問われているような気がします。2016/12/18
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エピソード1、佐藤優ライジング。 氏の豊富な人脈との交流を基に描くソ連崩壊はのっけから面白さピーク。人対人の関係を重視する著者の姿勢は立場、職務による利害を超えた交流を生み、強力な情報源となる。それがどのくらい外交施策に影響を与えたかは不明だが、判断材料として質・量ともに比類ないものだったのではないだろうか。2022/01/09
ehirano1
76
イリインが著者に言った、『強い者に対してお願いをしてはいけない(巨匠とマルガリータ、ブルガーコフ)』の箇所がまだ読み解けません。プライドだけの問題ではないように思いますが・・・。原著を読んでみたいと思います。2018/03/10