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内容説明
マグロやウナギが規制されると、日本の食文化が守れない? そんなの漁業の本当の危機じゃない。年々衰退し続ける漁の現場、揺らぐ卸売市場流通、定番商品ばかりの小売の店頭、ブランドや養殖への過剰参入、的外れの政策のオンパレード、そして失われゆく魚食文化……新聞やテレビでは報じられない、日本漁業を取りまく深刻な構造問題を気鋭の水産学者が徹底検証。余命数十年ともいわれる漁業と魚食の今とは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
42
図書館本。北海道では長く秋鮭の増殖事業が大々的に行われてきた。問題だと思ったのは例えば石狩川産の稚魚を全道各地で放流していたこと。そんなことをすれば近親相姦じみてきて秋鮭の質が落ちないか。またホタテでは海底を総ざらえしてそこに稚貝を撒き数年後に獲っている。これではその漁場の生態系が極端に変わらないか。…といった心配を感じている。それでこの本を借りみた。私の心配事については書かれていないが、日本の漁業にはそのほかにもたくさんの問題があることがわかった。それらは日本漁業の将来を左右する大問題ばかりだ。2018/11/13
カムイ
33
マグロの刺し身は嫌いな人は殆どいないだろう、それまでは日本で消費されていたが近頃は中国の消費が凄い、温暖化のせいなのか、採れる魚が時期に不良だったり、他国の争奪戦になったりで日本の魚の食事情が激変している、今でも漁師は山師みたいな考えている現状である、ある意味ヤクザな商売、育てる漁業には移行はしているが何せ規模が小さいので地産地消が理想なのだろう、どんな食べ物でも年中食べれるのは幸福なのだろか?その季節に食べてこその幸福だろう。2020/09/11
おさむ
23
確かに知らないことばかりでした。漁業権は漁師のエゴではなく、都市と漁業の分離を制度的に支えるものである。経済界は国が漁業権を買い上げて国有化し、大企業がコントロールする構想を持っている。経産省や防衛省がつくった海洋基本法により、農水省による漁業中心の政策からの転換が図られようとしている。コストはかかる日本の卸売市場流通だが、「人」を信頼する高度で柔軟なシステムで素人ばかりの米国とは大きく違う……。ただ、日本の消費者のサカナ離れを食い止めるのはなかなか難しそうです。2015/06/26
Porco
22
耳を傾けるべき指摘が多くあるのでしょうが、懐古趣味で説教くさい印象がありました。2017/03/30
calaf
21
魚介類はどう生産され、どう流通・販売されて消費者である我々の元に来ているのか、現在しきりに行われている(?)改革は、どういうもので、どんな影響を与えるのか、等々、現在日本の漁業問題に関する正しい知識を普及するために書かれた本。。。らしい。。。まぁ、それだけあって、結構というかほとんど知らなかったことばかり。日本の魚介類の安全って、世界有数なのですねぇ...そしてそれには当然コストもかかる!改革が必要というのは分かるけど、一旦壊してしまったら元に戻せないシステムというのもあるから...難しい問題です。2015/04/28