幻冬舎文庫<br> 隅田川のエジソン

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幻冬舎文庫
隅田川のエジソン

  • 著者名:坂口恭平【著】
  • 価格 ¥627(本体¥570)
  • 幻冬舎(2015/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344418257

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内容説明

「東京は人間がいちばんあったけぇ場所じゃねえか?」。隅田川の河川敷で暮らす硯木正一はしみじみ思う。ホームレスと呼ばれるものの、家はある。しかも、三食、酒、タバコありの優雅な生活。バッテリーを使えばテレビも楽しめる。東京にはほしいものがなんでも落ちている――。実在の人物をモデルに描く、自らの知恵と体を使って生きる男の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

相田うえお

92
★★★★☆22032【隅田川のエジソン (坂口 恭平さん)k】本作品、隅田川河川敷に住む路上生活者の男性をモデルとした事実に基づく生活記録がベースになっている。一つ一つの事柄が常識を覆す事ばかりでページを捲る手が止まらなくなった。路地生活は家賃¥0,食費¥0,酒¥0凄いことだ。高度な路上生活に欠かせないのは、やはり『火と電気』拾ったカセットコンロにバッテリー、なるほど。それに段ボールにブルーシート、マイホームの材料だ。『強く太く生きていく術』を忘れてしまった今こそ学ぶべきことは少なからずあるかも知れない。2022/04/06

はっせー

73
ノンフィクションに近い小説が読みたい人におすすめの本になっている!坂口恭平さん。前に『独立国家の作り方』を読んで面白い人だと思い今回はこの本を読んでみた。路上生活者の鈴木さんをモデルにした小説。通読して思ったことは私たちは型にはめて物事を見すぎているということである。路上生活者の生活は彼らなりの自由がありそして私たちが思っている自由とも何となく違う気がした。彼らの生き方こそサバイバルと言っても過言ではない気がした。また坂口さんの本が読みたくなった!2023/11/07

ちょこまーぶる

60
主人公正一さんの生き方に感銘を受けた一冊でした。仕事の関係でホームレスの人達とは関わりもあるんですが、彼のホームレスとしての哲学というか生き方が素晴らしく思えましたね。自分の生き方を正面から周りに伝えるからこそ、彼の生きる姿勢に魅了されて人が集まってくるんだと思いますね。また、途中から同居するマーコとの生活が楽しそうで、ニコニコしながら読み進めました。行政の施策のために、彼の同志?たちは墨田川を離れるわけだけど、彼との出会いがあったから今後も大丈夫だと思いますね。色々と根が深い問題だけど、皆一生懸命です。2018/08/17

Willie the Wildcat

55
物心といった概念ではなく、(肯定的な意味で)唯々日々を営む。創意工夫に人間性の齎す資産。食い扶持でもなく哲学。故に周囲を惹きつけるも、安易に追随はできない生き方。加えて、孤ではなく共生の姿勢に人間味。尊重する警官・役所・転勤族の登場人物にも人間味。自身の価値観を考えさせられるも、心身の乖離を再認識。少なくとも、心だけは大切にしたいものだ。それが結局本人はもちろん、周囲にも幸福感をおすそ分けできるような気がする。実在とのことだが、日本一週の旅でももれなく他者の心に何かを残したに違いない!2016/10/31

けいた@読書中はお静かに

26
ビブリオバトルで紹介のあった本。実際に路上生活をしている鈴木さんをモデルにした小説。人との繋がりを大切にして、お金以外のギブアンドテイク、時にはギブアンドギブで成り立っていく路上生活。発明や工夫で上手に生活をしていく様子が面白い。他の人の感想を見ると「税金も払わずに公共の場で生活していることが信じられない」という意見もあり、一定の理解を示しますが、まぁ、楽しく読もうよ、そこは。2016/07/10

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