内容説明
「これは、決してハメ手ではなく、私自身も実戦で試みて、その優秀性に、かえってびっくりした経験がある」(第1部「角頭歩戦法」はじめにより)
定跡を覚えるのが苦手な人におすすめしたいのが奇襲戦法。自分の得意戦法に相手を巻き込んでしまえば、少ない知識でも十二分に戦うことができます。特に本書で紹介する2つの戦法は、マスターすればどんな相手にも奇襲を仕掛けられる最強のタッグです。2手目△3四歩には「角頭歩戦法」、△8四歩には「新鬼殺し戦法」。これであなたも今日から奇襲マスターです。この2つの戦法は、ハメ手狙いの単純な戦法ではありません。いきなり攻め倒すだけでなく、組み合っても主導権を握ったまま戦えるのが最大の特長です。次々と繰り出される攻め手を正確に受け続けるのは至難の技と言えます。意表を突いて、相手を驚かせ、臨機応変・変幻自在の駒運びで相手を翻弄する。これほど痛快な将棋の勝ち方はありません。
本書は「将棋奇襲1 角頭歩戦法」「将棋奇襲2 新鬼殺し戦法」(山海堂)の2冊を1冊の文庫にしたものです。この2つの戦法は一発勝負や時間の短い勝負で特に力を発揮します。とっておきの大勝負に備えて、または日頃のネット将棋の勝率アップのために、こっそり奇襲戦法を覚えてみませんか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
26
私の中学時代の懐しの愛読書、山海堂から出ていた『角頭歩戦法』と『新鬼殺し戦法』とを合体させて、1冊にしたもの。「ネット将棋に勝つ」という題名が、意味不明だが。内容は今でも新鮮で、楽しく読めた。山海堂は2007年に解散か。2020/04/19
あなあき
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初手▲7六歩に、△3四歩と角道を開けてきたら「角頭歩」、△8四歩と飛車先を突いてきたら「新鬼殺し」、先手番での奇襲戦法を二つ紹介している。どちらも「奇襲」と呼ばれてはいるが、相手の出方によってフツウの振り飛車へ移行することも可能で、帯にある「臨機応変」というのは、それを含みにしたもの。正しく応対されると形勢を損ねてしまう「奇襲」とは一線を画した「本格的な奇襲」が、この「角頭歩&新鬼殺し」なんだね。自分は石田流を使うので、2手目△8四歩に対して速攻を決められる「新鬼殺し戦法」の方に、より大きな魅力を感じた。2016/04/03
Fuck_the_Facts
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新鬼殺しについて。角交換して(A)62銀または(B)42玉または(C)22銀or32銀には、角交換振り飛車党としては、68銀でいいと思いました。(A)で、77角成同桂54角には55角、(B)(C)で77角成同桂54角には、55角33桂(33銀)74歩で、(1)同歩なら85桂同飛91角成に、87飛成には88香(87角成には48玉)、(2)62銀なら85桂同飛77歩成同銀同飛同桂同角成42玉99馬で実戦的には互角でしょう。調べてないが多分。2021/12/18
フィッシュ
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角頭歩と新鬼殺しの解説本。何局か指してみたが現代でも十分通用する戦術だった。 とはいえ、通用させるために奇襲戦法としてはマイルドになっているので、低級位でヒャッハーしたいなら正直ゴキ中とかの方が簡単だし勝ちやすい気がする。あくまで変わった戦型を使ってみたい人向け。2018/04/15