内容説明
俺のたったひとりの妹は三人いる。女の子らしく可愛らしい藍里。明るく活発で走ることが大好きな茜。ロックを愛好し、確かな自分の世界を持つ蘭香。これは一つの身体を持つ三人の妹との日々、その最後の記憶の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
62
一つの体に共存する藍理・茜・蘭香の人格を抱えた少女と友人たち、そして彼女たちを支える兄の姿を描いた物語。うん、これは良いですね。自分はいつか消える事が分かっていても、自分の想いを叶える為に真っ直ぐに生き、主人格に全てを託して消えていく3人の少女たちの一生懸命な姿は本当に尊くて、読んでいて心が揺さぶられました。消えていった3人の少女たちの想いを受け継いだ少女と兄の姿を描いたラストがある事で、切なくも温かい雰囲気に浸ったまま感動的な結末を迎えれたと思う。本当に素晴らしい1冊なので、是非とも読んで欲しいです。2015/08/24
よっち
59
一つの身体に複数の人格が生まれるシノニムという多重人格に似た病気が珍しくなくない世界。複雑な想いを抱える藍理・茜・蘭香の人格を抱えた少女と友人たち、彼女を支える兄が織りなす青春群像劇。人格が入れ替わっていく自分の知らない世界がある日常。それでも彼女たちにも大切なもの、大切な存在がいる。自分という人格が消えるかもしれないと思いながらも向き合おうとする覚悟があまりにも切なくて、紆余曲折の末に彼女たちの想いが少しだけ報われたように感じたエピローグもまたとても素晴らしかったです。是非読んでみて欲しい一冊ですね。 2015/08/23
芳樹
58
標題にピンときて手に取った作品。かなりの傑作だと思いました。藍里・茜・蘭香という性格が全く異なる三人の人格が宿った少女と兄の物語。彼女たちそれぞれと親しい第三者の視点から語られる展開が良かった。願いを叶えると自分が消えてしまうと知りながら、それでも本当の自分(人格)のためにと突き進む三人の姿が眩しく映りました。少し切ないけれどとても素敵な物語でした。2021/05/17
ナカショー
57
非常に面白かった。多重人格に似た病気解離性同物異名症候群、通称〈シノニム〉。それを患った妹と3人の人格による青春群像劇。夢を叶えると消えてしまうにもかかわらず3人の人格は、それでも向き合って主人格に託していく姿が眩しかった。もうホント直視できない……。イラストも非常にマッチしていて文句なしの作品。大事なことだからもう一度。非常に面白かった。2015/09/12
shin
53
多重人格をモチーフとしたシノニムという病気で3人の人格を持つ妹から、兄の統哉は夏祭りで告白されるが、3人の誰かは分からない「かごめゲーム」の最中で、その時から妹達に変化が現れるお話。3人共に兄と違う存在の視点があるのも相まって、いつか消えてしまうと分かっていても自分の願いを果たしていく姿はまぶしく、切なかった。信じていたものが足元から崩れていくような展開にひやりとしたけれど、最後の挿絵で思わず涙がこぼれそうになった。存在しなくても彼女の中のどこかに彼女達は確かにいると、心に刻み込まれるようなお話でした。2015/12/13
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