内容説明
マルサでも手出しできない巨悪脱税事件では、ときに国税OBが裏で糸を引いていることもある。それらを調査する国税局資料調査課、通称「コメ」の真実を初めて明らかにする
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
26
先月読んだ「国税局査察部24時」が意外に面白かったので、著者は別ながら国税内幕モノのこちら。査察は令状に基づく刑事捜査、資料調査課のそれは納税者の同意を前提とする行政行為。両者の法的性格は異なるが、その手法には類似した点が多い。任意である資料調査課調査は、厳格な証拠確保より納税者の同意・自白が証拠を優越する傾向にあるようで、手練れのテクニックやはったりがより必要な職場に見える。その意味で本書は「査察部24時」に比して、詳細なテクニカルな部分や、知らなかった組織内部の様子が読みどころか。(コメントへ)2021/11/05
読書実践家
7
マルサについては聞いたことがあったが、資料調査課、通称「コメ」についてのリアルな話が並ぶ。伊達じゃない仕事ぶりと徹底した縦社会。面白かった。2016/03/07
スプリント
6
マルサとは異なるセクションである資料調査課の実態について書かれた本です。3K職場であることと旧態然の身分格差や上下関係が存在していることが意外でした。2016/03/12
くとほん
4
きわめてニッチな層を対象にしているとは思うが、面白い。税務に馴染みがないと、細かいところでひっかかってしまって読みづらいだろうが、本質は別のところにある。これは、交渉術の本だ。しかも、普通の、win-winを目指す交渉ではない。一方的な力関係に基づき、相手から自分の望むもの(税務調査の場合には、修正申告への同意。なくても更正処分はできるが、同意してくれたほうが手間が減る)を引き出すための交渉だ。そんなスキルを活用する機会のある人はそうそう居ないとは思うが、知っておいて損はないのだろう。2020/06/01
ちいくま
4
新聞の広告欄で知って予約。内容自体は、ほぉ~と思えるいろんな話が書かれていて興味深く読めたのですが。大変失礼ながら「上から目線」感が半端なく行間から溢れてる気がしてならないんです…エリート感とか出世してなんぼとか。先に読んでた元税務職員と真逆なスタンスなので、対比が面白かったです。2015/11/27