内容説明
皮膚には視覚、聴覚があり、あるいは学習し、予知する力がある。その知られざる「皮膚感覚」を説く気鋭の皮膚研究者が、村上春樹のエルサレムスピーチを引用するとき、私たちが「裸のサル」になった本当の理由が明らかになる……。知的にしてスリリング! ページをめくる指先の快感!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
59
皮膚の話というよりは意識の話ですね。大脳は直接刺激されると感じるのに0.5秒という「膨大な」時間がかかることから、意識という鈍感なものに人間が構築したシステムの管理を任せるのは危険、というお話。脳が知覚する少し前に、皮膚は刺激を「予知」して電位が変化するという前フリが効いているのでとても刺激的です。抜群のセンスを発揮して思うさま芸術を語った最終章も面白い。ただ、他の本に比べると脳と意識の関係にちょっと論理のジャンプがあるかな、というのは否めません。2020/07/06
zirou1984
24
面白かった!前半部分の皮膚が持つ驚きの機能について科学的に明らかになっていく話も良かったけど、「皮膚感覚」という比喩から考える文化・芸術に関する話題もそれに劣らなかった。最新の知見として数々の論文を出展として明示しながら、様々な一般書も話題として取り上げ、20世紀以降の芸術に関する観点は著者ならではでありながら説得力があるものだった。中でも、意識と無意識に関する分野は本書を通底するテーマであり、ミクロな研究をマクロな人間観に落とし込む、その知性のバランス感覚には安心させられる。2019/05/12
ヨクト
20
体毛を失い、それに伴い脳が進化したことの可能性考察。音をCDで聴くこととライブで聴くことの違い、言語の発生とジェスチャーの関係性。どれも興味深かった。後半は蛇足な気もする。2015/12/20
MIKI(magicrose)
19
タイトル通り、皮膚が持つ能力の多彩さに驚かされまくりでした。おもしろかった!皮膚は「聴いている」「見ている」「味わっている」「嗅いでいる」「予知する」「考えている」「記憶する」… 人は、自分で思ってるよりもずっとすごい力を秘めているのかもしれない…なんて思ってしまいました。もっと意識的に自然に触れよう、もっと生の声や音を聴こう、もっと皮膚感覚を大事にしよう。 2022/04/21
Sakie
10
表紙の手触りにこだわりが見える。皮膚感覚は脳が知覚または意識するよりはるかに膨大な量の情報を感知し、瞬時に処理する機能をも持つ「外界との境界に存在する知能」である。人間の行動や心理さえ、かなりの部分を支配している。真皮の下の神経細胞が信号を受容して脳へ送り…という説明は最早古いのだ。皮膚感覚の、想像を上回る機能を紹介しつつ、本作ではより大きなシステム、人間社会の仕組みと未来にまで考察を試みている。言わんとするところはわかるが、若干弱い。私の関心は、魂は皮膚にあるか。意識せずに身体を動かせる為の鍛錬とは。2016/07/18
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