ちくま学芸文庫<br> 列島の歴史を語る

個数:1
紙書籍版価格
¥1,100
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま学芸文庫
列島の歴史を語る

  • 著者名:網野善彦【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480096180

ファイル: /

内容説明

日本は決して「一つ」ではなかった! 中世史研究に新次元を開き『日本の歴史をよみなおす(全)』で多くの読者を魅了した著者が、日本の地理的・歴史的・社会的な多様性や豊かさをわかりやすく語った講演集。農業以外の生業の実態、外国との交易のありよう、神仏と金融、天皇や領主、神社の権力構造――。従来あまり取り上げられてこなかった実像を縦横に語るこれらの講演は1980~90年代、目覚しい活躍の起点となった時期のもの。のちに代表作として実を結ぶ内容に加え、歴史研究に対する鋭い問題意識や今後の課題も率直に語られる。歴史の常識を見事に覆す熱き名講演。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

22
ずっと積読になっていた『無縁・公界・楽』に繋げようと読んでみました。講演記録なので読みやすいですけど、質問者は専門家なのでなかなか突っ込んだ質問をしています。中世の土地所有の隷属ではなくて、土地を自由に行き来する無縁社会の人々。昨日『瞽女』という映画を見たので、その解説としても面白かったです。瞽女は盲目に生まれたけど、自立した生活をするために瞽女になるのです。その瞽女社会は家と縁を切られた者が集って瞽女の社会を作り出す。2021/05/21

中年サラリーマン

17
「日本の歴史をよみなおす」の方がインパクトがあったがこちらは講演形式なので平易で読みやすいです。2014/04/20

金吾

16
日本の歴史に広く網をかけたように感じる一冊です。他の著書でも触れられている日本人とは何かとか租税に関する話は面白かったです。2021/05/29

moonanddai

9
以前から感じていることですが、ここで使われる自由という用語、相当昔からある言葉であるようなのですが、個人的には近代的なイメージを持ってしまいます。中世(あるいは古代から?)でいう自由とは、(網野氏によれば)下人とか所従とか言われる隷属した身分ではなく、「ある共同体の成員権を持った人」であること、をいう…。共同体の成員であるからこそ税(租庸調みたいな成文化されたものや「贄」といった慣習的なものまで)負担に耐えることは、共同体つまり「公」ひいては天皇までも支えているという意識を持つことなのだと…。フーム…。2023/10/24

トンボ玉

6
自分の歴史的興味は奈良・飛鳥時代から始まりました。日本書紀を読む中で様々な疑問が頭を擡げ、大和朝廷の出来上がる前にと手を拡げていきました。今回初めて中世史家網野さんの本を読みましたが、強く感じたのは「この人は何と闘っているのだろう?」という疑問でした。先住民問題を語り、部落問題と繋がる非人を語り天皇制を語る。彼は歴史の真実を追求してるのでなくて、歴史学会に流れている「常識」と闘っているのではないのかと。 また途中どうしても引っかかるのが今の皇太子を呼び捨てにすることで、政治的な意図を感じざるを得ません。 2014/05/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8019773
  • ご注意事項