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内容説明
驚異の神童として名を轟かせながら、貧困のうちに不遇の晩年を送った天才作曲家―世に広く根付いているモーツァルトの姿は、誇張されたフィクションだった! 新たな視点から資料を読み直すことにより、作品がその生涯と手をたずさえ、ますます美しい輝きを獲得してゆく。才能を誇りとも重荷ともしながら、史上初のフリー音楽家として各ジャンルに革新をもたらした青年音楽家が、苦闘の末、野心から解き放たれて満ち足りた調べを奏でるまで。知られざる真の姿をあざやかに描く。厳選15の名曲・名盤紹介つきのモーツァルト入門決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
6
これまでのモーツァルト像は、偽りだった!?神童伝説を払拭し違う視点から、これまで見えてこなかったモーツァルトが現れてきた。NHKFM『古楽の楽しみ』の案内役が紐解く、モーツァルトの謎が、この一冊に。実は本書を読むきっかけは、このFM番組を聴いて興味があったことである。モーツァルトがこれほど謎が多く、親しまれているか。本書でわかることだろう。2014/09/30
Historian
2
バッハ学者いそやま ただしさんが、14年前に著した『モーツァルト 2つの顔』を「根本的に増補改訂」。「アマデウス」でも知られている「天才神話」をこえて、「ともに人生を歩む幸せ」をもたらすモーツァルトを語ります。「私の最後のモーツァルト論になることだろう」と言い切っておられる。「モーツァルトとバッハ」という章もあって、礒山さんならでは、の本です。アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団の演奏が圧倒的で、終わって拍手がわき上がるまで「なんと45秒の静寂が場内を支配している」という句で、この感動の文庫本は終わります。2014/07/24
shiki30
1
クリストフ・ヴォルフのモーツァルト本の訳者の書いているものと知り読んだ。バッハの専門家とあって筆者独自の研究についてとりわけ議論を広げているわけではないが、近年のモーツァルト研究によって明らかになってきた晩年のさらに飛翔せんとする芸術家像がわかりやすく説明されている。モーツァルトの作品の紹介と解説が豊富で、未だ知らぬ名曲に出会える。2017/05/09
キット
1
100点2015/05/23
リトル★ダック
0
韓国ミュージカル「モーツアルト!」に違和感があって、Amazonで探したのがバッハの第一人者礒 山 雅氏が書いたモーツアルトの研究本。あのミュージカルでは、「自由は飢えだ」「金を送ってくれ」またはその逆のような歌が多くて、辟易してしまったのですが、この書籍を読んで、モーツアルトを身近に感じられるようになりました。 「モーツァルトの音楽は、時間的存在としてのわれわれの感受性を鋭く目覚めさせ、それを鼓舞しそれに翼を与えて、自由な世界へと解き放つものであると。」2020/08/20