内容説明
ルパンの赴くところ事件あり。怪盗の跳梁の前にはパリ警視庁の名警部ガニマールでさえ、手も足も出ないありさまだ。ルパンに挑まれ、翻弄された被害者たちは結託し、ついに英国から、かの名探偵シャーロック・ホームズを招聘することにした。腕を撫し、盟友のワトソンとともに勇躍フランスへと乗り込んでくるホームズ。全国民注視の中、怪盗紳士対不世出の名探偵の正面切っての対決が開幕した!シリーズ中屈指の人気作品を最新訳で贈る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
naoっぴ
72
うーん、ルパンVSホームズの世紀の対決ということでかっこいい二人の物語を期待したのですが、ホームズの魅力がまったく感じられず、対決の意味があったのかどうなのか。ここでのホームズとワトスンは俗物おじさん探偵とお間抜けな助手という感じのキャラなので、本家ホームズとは別人と読むのがいいかと思われます。一方のルパンはいつもながら颯爽とかっこよく(笑) パロディ活劇として楽しみました。2017/04/18
Kokopelli
37
アルセーヌ・ルパン・シリーズの2冊目の名作である。名作である、と言いながら今更ながらに未読であったことに気づいた。びっくり。前巻の「遅かりしシャーロック・ホームズ」で一瞬の邂逅があって以来の真っ向勝負である。あとがきの解説にもあるが、本家コナン・ドイルのホームズ像とはあちこちに違いがある・・・主役がルパンなので致し方ないのだが。そしてルパンの宿敵ガニマールがなんともルパンIII世の銭形を彷彿とさせる。もっとも銭形の方がガニマールに寄せたのだけれど。世に知られた名作を十分楽しんだ。次はいつルパンに会おうか。2024/03/11
Ryuko
30
子供の頃学級文庫で読んで以来の再読。ガニマールがお間抜けなのは、よく覚えてたけど、ホームズもかなり間抜け、ワトソンに至ってはあんまりだとルブランに抗議したくなるほどである。そしてルパンも怪盗紳士とは言えない感じ。オリジナルはH E R L O C K S H O L M È Sで、パロディだとは言えよく訴えられなかったものた。2017/04/18
紫陽花と雨
29
中編と小編二つ収録。どちらもかの有名なお二人の対決。ところでルパン一味は一体全部で何人いるのやら。気球で脱出って言われてほんとに建物ごとパカーンて割れて飛んでくかと思ったのは、完全に三世の影響です。ホームズさんが本家よりなんか余裕なくて、おじちゃん感強い(ハーロックショームズさんだし(←原題必見・笑)けど、追い詰めていくお互い譲らない対決は楽しかった。本作、日本では大正時代くらいに翻訳されていてルパンが有村龍雄、ホームズが堀田三郎だったと言う解説も面白かった。いつか古いものも読んでみたいな。2019/12/23
LUNE MER
19
本作ではまだホームズ(本当はショルメだが慣例に従ってホームズとする)のディスられっぷりは後の作品ほどではなく、互角と言える知能戦の応酬を果たしている。ワトソン(同上)のクオリティはともかくとして(苦笑)。フェミニストと言っていいのかどうか分からないが、毎回毎回異なるボンドガールならぬルパンガールを我が身より優先して活躍するルパンの姿は女っ気のほぼないホームズシリーズより好み。反面、アイリーネ・アドラーのように「あの女(ひと)」ったら彼女をおいて他はいない的な唯一無二のヒロインもいないわけだが。仏版も所有。2019/08/30
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