内容説明
戦後70年に歴史を正視するための必読書。
《2015年の靖国神社の春の大祭には安倍晋三が真榊を供え、二名の女性閣僚が公式に参拝し、国会議員も大挙参拝し、防衛大学の学生約200名も参拝し、靖国神社も風物詩化したみたいになってきました。つまり靖国神社そのものの存在理由について、誰もが問題にしなくなってきました。それにつれて靖国神社に参拝するということは、どういう意味があるのかを考えなくなってきたようです。》(「文庫化によせて」より)
戦後70年を迎える2015年、政府は安保法案成立に突進している。社会は右傾化し、総理の靖国参拝に異を唱える人も少なくなりつつある。しかし、かつて小泉総理の靖国神社参拝が賛否両論を起こした理由も、現在の安倍総理の参拝を中国や韓国が非難する理由も、その背景にある歴史的事実を冷静に見つめなければ理解できないだろうと著者は言う。
『ボクラ少国民』など少国民シリーズで、戦時下の教育の実態を明らかにしてきた著者が、膨大な資料から靖国神社とは何かを一問一答形式で紐解く。戦後70年に歴史を正視し、問題の本質を理解するための必読書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
加藤久和
7
入門書っぽい体裁だが細かい知識が記載されているため辞書的に利用した方がいいかもしれない。靖国神社の起源である東京招魂社の設立に大村益次郎という人物が中心となって関わっている。司馬遼太郎の駄作『花神』では大村は何やら偉人扱いされているわけだが、この人物は英国仕込みの大砲で幕府方とはいえ同胞日本人を撃ちまくった殺戮者であることを忘れるわけにはいかない。当然東京招魂社には幕府方の戦死者は一切祀られなかった。何が日本人の魂だよ馬鹿々々しい。あとがきで白井聡氏が言うようにこの好戦的なカルト神社は自然死させるべきだ。2018/01/29
カツイチ
4
読んでよかった。小学館、お子様から右から左まで幅の広さは四次元ポケット並。2016/02/12
Daisuke Azuma
1
靖国参拝と軍国化を結びつける筆者の思想には賛同しかねるが、靖国の成り立ちを学ぶという意味では勉強になった。靖国が少なくとも戦時中までは戦死した英霊を偲ぶ場ではなく、勝利のために英霊たちの天佑を願う場であったということを知ると、諸外国の靖国参拝に対する強い拒否反応もうなずける部分が出てくる。しかしそれが靖国の成り立ちであったとしても、それが全てではあるまい。現在においての靖国の意味はやはり英霊たちを慰める場であろうと思う。それを国家カルトの一言で片付けることには違和感がある。2015/08/23
SK
0
300*今年読んだ300冊目の本。2016/11/18
わ!
0
良い本だ。靖国問題がとてもよくわかる本となっている。靖国問題を語るとき、どうしても左右どちらかの側に立って話をしてしまいそうになるが、この著者は一応「靖国神社」には矛盾が内在されている…という立場には立つものの、明らかに反対派としてではなく、この本を書いている。特に日本の神道の歴史なども、完結明瞭で、その神道と靖国神社とが、どれほどの乖離を持つかがわかりやすい。そう靖国神社は現日本の神社においても、かなり特殊な神社なのである。2016/09/15
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