内容説明
神奈川県横須賀市にある独立行政法人国立病院機構・久里浜医療センターで「病的ギャンブリング(ギャンブル依存)治療研究部門」の責任者を務める、ギャンブル依存症のエキスパートである著者。ギャンブル依存症は専門外来が極端に少なく、また特効薬もないため、“不治の病”として扱われているが、本書の著者は8割の患者をギャンブル依存から立ち直させている。そんな著者も、実は5年前まで他の専門医と同じような治療法だったのだが、自分自身がアルコール依存症を克服したことをきっかけに、オリジナルその画期的なメソッドで数多くの患者の治療に成功してきた著者が、数々の壮絶な実態とその解決法を説くのが本書だ。
ギャンブル依存症なんて、しょせん自分の気持ちの持ちよう。スパッとやめてしまえばいいだけだろう」とも思えるが、「わかっちゃいるけどやめられない」のが実情。ギャンブル依存症は、私たちが想像する以上に極めてしつこく、厄介な病気なのだ。一気に無理矢理辞めさせるのは本人にとって拷問に近い苦しみ。“人間の弱さ”への配慮を込めたやり方で脱出までもっていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
18
依存症の専門医が語るギャンブル依存症への対処法。具体例も多く、論旨が明確で分かりやすい内容なので、とても興味深く読んでいたのですが、途中で、著者そのひとがアルコール依存症者だった告白があって驚いてしまいました。だからこそのとても率直な物言いに説得力を感じます。家族や周囲に依存症者がいるかたはいちど読んでみたらいいのでは。2015/11/17
kanki
15
独自の治療、欲望充足法について。著者はアル依存症。AAは自分を捨てに行く場所。2023/04/05
西嶋
11
著者自らのアルコール依存症体験を踏まえた、治療効果の高い「欲望充足法」を軸とした、ギャンブル依存の症状や治療法に関する広く深い解説書。他の精神障害にも参考になる内容だと感じた。2015/12/12
てくてく
7
社会的病理としての分析ではなく、ギャンブル依存症から脱出したい人にはどのようにアプローチしたらよいのかということを開設した本。著者自身がアルコール依存症で、かつ、著者の様に依存症を専門とする医師にはアルコール依存症が少なくない事、また、カジノについては、ギャンブルよりも失う金額が大きいものの、その金額の大きさによって、ギャンブル依存症ほど患者は増えないのではないかという指摘が面白かった。2015/09/13
Asakura Arata
6
だいぶ前メールでやりとりさせていただいた先生。欲望充足もでるは、どちらかというと、自分が一緒にやっているワンデイポートの考え方に近い部分もある。確かに自助グループに行くのは、本人にとっては敷居が高いよなあ。2023/03/06
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