内容説明
日本史上初の本格的な対外戦争「元寇」とその勝利は、日本人の国防観にどんな影響をあたえたのか。一級史料とされてきた『八幡愚童訓』の虚実とともに、世界史的な視点をあわせながら歴史の真実に斬り込む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
№9
24
本編のテーマは北条執権と元寇の危機だが、元がなぜ日本侵略を企てたかの説明をするために、その前の時代の宋やさらに遡って秦の始皇帝の話から始まっている。そのはるか前段の話が面白い。万里の長城は始皇帝の時代から始まるにしても他の王国の国境にもあった土壁をつなぎ合わせていっただけで、長城のようなものに完成するのは明までかかったのだとか。宋は文化的に優れていたが軍事をないがしろにしたためにモンゴル帝国に侵略された。日本は貴族の時代から武士の時代に移行しており元の猛攻を凌いだ。「神風」はどうやら後世のこじつけらしい。2016/06/19
シン
12
今、平行して読んでる『時宗』の時代背景を理解する手助けとなるよう読みました。元寇を撃退したのは「神風」ではなく、「鎌倉武士団の活躍」という説明に納得。面白かったです。2015/11/07
二分五厘
11
古くはおおらかで寛大だった中華民族が、独善的で排他的に変わってしまった理由。「朱子学はヒステリーの産物」とまで言い切る著者が綴る南宋と平安貴族、近代中国・日本の問題点。歴史の『if』を考えてこそ、その人物の功績や事件の影響を評価考察できる。日本史上初の異国からの侵略を『神風』と『言霊』で撃退した朝廷と、『武力』で撃退した鎌倉幕府。両者は決して交わらない。綺麗事だけで平和を維持することは出来ない、「人脂のべとつくような手練手管が要る」司馬遼太郎の言葉が重い。本当に元寇が鎌倉時代で、時宗の時代で良かった。2016/07/22
888
10
源と北条との関係、 特に元寇の際の近隣国の情勢や 天皇家と駆け引きなど独特な解釈で とても面白い。 元寇の時にもっと劣勢で攻め込まれていたら 現在の日本の形も変わっていたというのも 一つの説として同意できる。 鎌倉時代は登場人物が多く また、名前が似ているのでとっつき 難い印象があった 鎌倉にはよく行くので、次回行く際は もう少し歴史の史跡を見る視点で もっと楽しめるのではないかと感じる。2024/11/03
ちゃま坊
9
元寇を解説するのに始皇帝の万里の長城から語り始める。史上最大のモンゴル帝国を中心に現代までの侵略の歴史を考察する。元寇は当時の日本が鎌倉幕府という軍事政権だったのが幸いした。神風のおかげなんかじゃない。侵略を防ぐ軍事力の大切さを説く。2015年に夕刊フジに連載されたもので、北朝鮮への警戒感をたびたび引き合いに出している。連日ワイドショーでミサイル問題やってた頃か2018/12/22
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