内容説明
天保の改革で幕府最後の改革に挑んだ老中・水野忠邦。歌舞伎三座の移転から庶民の娯楽・寄席の撤廃まで風俗取締で断行しようとしたが、町人の実情を理解し、抵抗したのが町奉行・遠山金四郎だった。仮設店舗や屋台店など「床見世」の撤去や、江戸に流入した人口を農村へ強制的に返そうとした「人返しの法」に、江戸の内情を考慮して反対したのも遠山だった。名奉行の見識と行政手腕を、江戸町奉行所の史料から実証した名著。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
2
遠山の金さんを通して江戸後期を語る。老中・水野忠邦による「天保の改革」の緊縮政策に、町人下層の生活を慮って反対したことから、金四郎は後に講談のヒーローになっていくわけだが、その町人に対する姿勢は金四郎独自のモノではなく、寛政の改革以降の町人層や社会の変化から他の町奉行や代官たちにも共通していたというのは面白い。金さん個人よりも、彼がそう振舞った時代背景がよくわかる一冊だった。2017/08/06
omemegaro
1
「遠山金四郎」という虚実曖昧な存在を紐解いていくうちに、天保の改革と江戸後期の町奉行が市井をどうみていたのかがわかってくる本。2024/03/09
我門隆星
0
時代劇であまりにも有名になった「遠山の金さん」の実像に迫る良書。「講談社学術文庫」の割に「柔らかい」印象があるのは、文語報告書の中の内容(江戸市中の民衆を慮った数々の文書)によるのかもしれない。まさに「名奉行・名代官を排出した時代」の奉行といったところであろうか。2016/10/20
鉄ウサギ
0
天保の改革で水野忠邦とどういう点で対立したか、が主な内容でした。もっとエピソード的なものがあるかと思ったけど、史料自体が少ないみたいだから仕方ないのかな。2016/05/20
よし
0
遠山の金さんが実在する人物とは知らなかった。水野忠邦と対立してたんやね。時代が産んだ名奉行にあっぱれ!2015/12/02
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