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内容説明
ライプニッツのモナドロジー、ベルグソン『物質と記憶』、ドゥルーズ『シネマ』『襞』……「私の発生」をめぐる思考をシミュレーションする! 本当に存在するものは何だろうか? 私の「今・ここでの体験」だろうか? それとも、他人からみた「物質としての脳」だろうか? もちろん、両方だろう。ところが、そう言った瞬間、「私の」体験と「他人からみた」脳を結ぶメカニズムが知りたくなる──ライプニッツのモナドロジー、ドゥルーズの思考を、コンピュータ・シミュレーションで展開。心身問題への新たなアプローチがはじまる! (講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pustota
8
スピノザのモナドロジーとそれに対するドゥルーズの論考をベースに、中枢が創発するシミュレーションを条件を変えて走らせた結果を解釈しながら、「私」という心の問題を考察していく。なかなかアクロバティックな作品。具体的に「私」という意識が発生するメカニズムについて何かが分かるわけではないのだけれど、とても興味深いイメージを展開してくれている。アクロバティックな内容だが、「心とは何か」なんて言いながら「まだまだ謎が多い」というだけで終る「お行儀のいい」脳科学の本などよりはよほど面白い。2021/08/06
ともすけ
3
これはなかなか面白い視点からの研究者が出てきたと思いました。アクロバティックの感もありますがそれはそれでいいと思います。図書館で借りたけれどもこれは買って本棚に並べる価値ありです。2013/10/12
ジンジャーエール
1
多数の要素をもつ複雑なシステムを支配する中枢について。中枢というものには未来への信用があるというのが印象に残った。物々交換の経済では需要と供給が一致せず取引はほとんど成立しない。そこで他者がどのような商品を欲しがっているかを基に商品に信用というものを持たせると取引は自分のもっている商品Aと信用の大きい商品Bを交換し今度は自分の欲しい商品Cと交換という形で商品を手に入れる。この商品Bが中枢であり貨幣になる。
あかふく
1
「誤字」の話に過剰な期待をしてしまった。もっと人間に関心がうつったころ、再読します。2013/03/21
fieldh
1
再読。心身問題をまともに扱えている数少ない本のなかの一つ。2013/03/08