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内容説明
皇帝と天子 中華と夷狄「大一統」。中国史を貫く“統治と権力”の思想構造。儒教が「国教」となったのはいつか。皇帝と天子は同じものか。曹操はなぜ文学を称揚したか。諸葛亮は何を守ろうとしたのか。「竹林の七賢」は何に抵抗したか。国家の正統性を主張し、統治制度や世界観の裏づけとなる「正統思想」の位置に儒教が上り、その思想内容が変転していく様を、体系性と神秘思想の鄭玄、合理性と現実主義の王粛、光武帝、王もう、曹操や諸葛亮など、多彩な人物を軸にして、「漢」の成立と衰退、三国、魏晉時代の歴史を交えながら描き出す。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
9
古典は常に新しい_。読む年代によって、常に新しい発見があるという。三国志との出会いは、小学校の図書室、学習まんが。関羽の最期と「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の場面は今でも脳裏に残っている。以来、中国史に触れるうちに1つの疑問が浮上。歴史区分(古代、中世、近代)がしっくりはまらない。近代は分かる、でも、古代と中世の境界線は?そんな長年の疑問に対する、1つのヒント(或いは解釈)を本書から読み取れた。著者の主旨とは違うだろうが(笑)。僕にとってはこう言えるだろう。_三国志は常に新しい。2021/07/07
isfahan
9
学生時代に「中国の改革は常に復古のかたちを取る」という言葉を学んだ。改革=復古の中心に置かれたのは常に儒教だが、いかにして儒教がその中心たる地位を確保したのかを説明するのが前半。改革は常にある政治権力を正統化する面を追うが、後半では中心たる地位を得た儒教のテキスト群が、実際の政治情勢と並行しどのように読み換えられ、仮託され、偽作されていったかを詳細に追う。2014/08/02
まじょるか
4
「孔子は仁を最高の徳目とする教えをつくりあげた。仁とは人を愛することで親を愛する孝の実践は仁の根本である。この愛の及ぶ範囲を次第に拡大してゆき人類愛まで到達させる。また、孔子は人間は社会的な存在であることから「克己復礼」己の我が儘に打克ち社会的規範である礼に復ることを仁であると述べた。」▼「人間がこの世に生まれる時、純粋の清気を受ければ聖人となり教育の有無にかかわらず聖人。純粋の濁気を受ければ下愚となり教化しても変わらない。大多数は清濁混ざった中人である。これを澄ます為に教化が必要なのである。」2014/12/22
ぼのまり
3
中国人の多くが信仰を寄せている宗教は儒教だという話を聞き、昨今の一部の中国人の我儘な行動を見るにつけ、「どこが?」という感覚を抱いていたが、この本を読んでちょっとその背景を理解できたように思う。「儒教国家」といっても、儒教の思想を丸呑みするわけではなく、都合のよいところを採用し、時代・時流に沿わないところは適宜変えていたのですね。それは儒教?というのもありますが、そのあたりがいかにも中国人の感覚なのかもしれません。2013/05/31
ひよピパパ
2
漢の時代から晋の時代まで、いわゆる春秋学を軸に儒教の変質の様を描いた書。なかなか難解。軽い気持ちで読むと火傷する(?)書。時の政権との関わりの中で、経典の解釈のされ方が変わってくることに驚き。時の政権は絶えずその存在根拠、事由根拠を儒教経典に求めてきた。したがって、その解釈をうまく時宜に適うように改変してきたわけだ。それだけ、儒教の束縛が強いということを痛感。漢の武帝期に儒教が国教化されたとする説がもう古いことをこの書で初めて知る。儒教もなかなか奥が深い。2015/08/30
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