内容説明
くま子先輩。 本名、冬美原久真。 俺のひとつ上の先輩で十八歳。大層な美人ではあるのだが、なにかと問題の多い女性でもある。学校一の問題児であり、変人だ。 そして――、くま子先輩は《世界の恋人》だ。ある日、くま子先輩が運営しているWEBサイトに自殺した少女からの投稿があって――。 望公太が満を持して贈るキャラクターミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさい
3
主人公の先輩が運営する自殺サイトに書き込まれた、既に自殺された少女の文章から始まる話。言われて見ればみるほど西尾維新っぽさもあるものの面白かった。この世界そのものが自分の恋人だと言い切る先輩マジカッケー。全体的にキャラ付け濃ゆい、というか濃ゆすぎ。篠宮ちゃんが突っ込み入れるのもわかるぐらいに剣と究理の関係は濃すぎ。大丈夫か。世界がツンデレという流れは読んでいて面白かった。2015/09/21
藤崎
3
HJ文庫のWebサイトで掲載されてたのをまとめた1冊。そして加筆修正とかは特に見当たらず・・・挿絵はどっさり増えてますが。内容的には、ミステリ風味で外枠囲って中身好き勝手に捻った、要は圧倒的「いつもの」というか、生きるだの死ぬだの世界の定義だのを真面目なようで益体もなく語りに騙る戯言ストーリー。しかしキャラも各自強烈なはずなのにあまりインパクトを感じなかったのは慣れすぎでしょうか。ともあれ、真剣に考え込むにはくだらない、けれどただ流してしまうにはもったいない、そんなユニークなバランスで構成された作品でした2015/08/23
nyapoona
2
これが何故文庫本ではないのか?と思ったが、ゼロ年代講談社ノベルスへのオマージュだとすれば妥当か。汀こるものや初期西尾のようなミステリ?2015/08/26
菊地
1
特定のモチーフをオマージュして一捻りした作品を書くことに長けた作家さんなので、ゼロ年代作品を一捻り二捻りしたような作品をかけそうなものだけど、今回は本当にストレートに一昔前ならメフィストやファウスト、今だと講談社BOXや星海社FICTIONSで出てきそうな内容だった。ハッタリを利かせたミステリって感じだけど、そのハッタリが類型的すぎて中身スカスカに見えてしまう。「世界が恋人」みたいなエキセントリックさを除けば、事件自体は対して面白いものでもなかったし、キャラにも愛着を持てなかった。正直イマイチ。 2016/01/03
てい
0
柱の作者コメントの時点で、望公太先生に一生ついていこうと思ったとなるレベルでメロメロでした。デビュー作から西尾の影響を強く受けているのを隠しもせず、作中でファンだと公言しているようなものなので、キャラクターや関係性、台詞がちょいちょい戯言を連想させるものでその世代としてはにっこりしてしまうものでした。 世界様のツンデレ証明部分は少し駆け足過ぎたかなーとは思うものの、全体的に「ほんとそれな!」といい塩梅の世界証明と人間証明で最高でした。2015/09/20