内容説明
代々木公園の都市伝説。3月の最終日曜日、公園内で仲間に「チェッコさん」が紛れこみ、代わりに誰かいなくなるらしい。今日がその当日。ロカビリーグループ、演劇部員、殺陣役者、ネットアイドルオタク、お笑いコンビ、イケメン俳優など様々な人間がやって来た。標的になるのは誰? 愛憎渦巻く中に切ない想いを込めた群像劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絹恵
39
消費されていく日々を切り取った1日のなかで、終わったり、始まったりする気持ちに置いて行かれそうになることもあります。時に、無いものばかり欲しがってしまったり、振りきれない思いが胸を突くけれど、だからこそ失くしていたものを教えてくれました。複雑な感情の上に成り立つこの行動の理由は、きっと全て愛でいいよ。2015/08/01
ソラ
35
今まで読んできた壁井さんの作風とは一味違う印象の作品。何はともあれ柴さんが幸せになってくれたらいいなぁ2015/08/16
keith
29
初読みの作家さん。桜が舞う3月の代々木公園。チェッコさんに目をつけられた人は公園から出られなくなってしまうという都市伝説。公園にやってきた様々な人たちの人間模様。チェッコさんとは、そして誰がチェッコさんに目をつけられてしまうのか。群像劇ですが何度も冒頭の相関図を見ながら読みました。登場人物が次々と繋がっていきますし、コメディかなと思いましたが、シリアスなところもあり、なかなか一筋縄ではいかない物語でした。2016/01/25
杏
4
頭の中で物語がしっかりと映像化出来る。青春時代を懐かしむロカビリー集団、高校の演劇部の殺陣稽古、ネットアイドル?を囲むオタ芸の集団etc...。視覚的に非常にインパクトがあって大胆で鮮やか。一方彼らが抱いている感情は細やかに描かれている。長く近くにいてもバラバラの方向を向いてる人たちもいれば、物語の終わりから想いが重なってく人たちもいる…。まっさらな輝かしい未来が待ってる人たちがいないのが、白々しくなくて良かった。2016/05/10
wakana
4
「キーリ」が大好きで、まさか壁井ユカコが一般文芸出してるとは思わなかったから買ってしまった、、、キーリといい、少女と青年の組み合わせが好きなのかな? 代々木公園内で起こっていく群像劇で、まさかそことそこが繋がるのかという展開も多々。チェッコさん関連でもっとぞくぞく怖がらせてくれたら良かったのに、という気もする。柴ちゃんが幸せになってくれますように。2015/06/24