内容説明
<p>角田光代が訳さずにはいられなかった――!
世界を代表する7人の作家が描いた 名もなき女の子たちの物語</p><p>本書は、国際NGOプランが推進するBecause I am a Girlキャンペーンの主旨に賛同した作家が、それぞれ異なる国のプランの活動地を取材し、その体験をもとに執筆して生まれた書き下ろし短編集です。執筆陣には『トレイン・スポッティング』のアーヴィン・ウェルシュや『ショコラ』のジョアン・ハリスなど世界一流の作家が参加しています。
角田光代さん自身も、プラン・ジャパンより依頼をうけて2009年と2011年に西アフリカ・マリの女性性器切除の撲滅活動や、インドの人身売買シェルターの様子を取材。そのルポは『CREA』や『日経ウーマン』など各誌に掲載されました。その経緯から、角田さんは本書のコンセプトに共感して翻訳を決意し、このたび出版に至ることになりました。
本書の印税・売上の一部は国際NGOプランに寄付され、途上国の子どもたちを支援する活動に役立てられます。</p>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さおり
66
私は女の子だから、兄や弟よりも丁寧に育ててもらったと思っています。お金も、兄や弟よりかけてもらった。兄や弟と比べて劣っていると思ったことなんて、正直今までありません。って、こんな風に思うのは私が日本に生まれたからなのかな。生まれた場所が違うだけで、取り巻く世界はこんなにも違ってしまう。私が知ったからって何が変わるわけではないけれど、知るところからしか始められないとも思う。2016/07/03
ころりんぱ
43
女性だからという理由だけで生まれた時から自由のない暮らしをし、男性より弱い立場にずっと身を置かなくてはならない国がそこかしこにあるんだということを知るのに、こんな本があってもいいのだと思う。なんていうか、ズバリのノンフィクションよりも表現が柔らかなので、中高生辺りには読みやすいのではなかろうか。2015/05/23
紫陽花と雨
40
私は知らなかった、彼女たちがどうして髪を短くしているのか(女性らしくみえたら襲われる)逆に髪を布で巻いている女性もいる(貧しさゆえ頻繁に美容院なんて行かれないから)「女の子だから」という理由で、学校に行けず、好きな仕事に就けず、男性からの暴力、男性の自己満足の為、その身勝手さに支配される人生。女の子が生きたいように生きられない国がまだたくさんある。改善していくにはまだまだ現地の問題解決に時間がかかることがどの話からも伝わってきて打ちのめされる。世界中の女の子が安心して暮らせる未来を願わずにいられない。2018/10/15
ののまる
19
ウガンダの話が一番リアルで、NPO(プラン・ウガンダ)の目指すところ(政府も含めた自立支援。目標は自分たちがいなくなってもその社会が確立できていくこと。当地の伝統社会や価値観との軋轢もあり、とてつもなく長い時間がかかる)と「なんですぐトイレを作ってあげないの?私がその基金を設立してお金をあげるわ」と一瞬で解決の発想をするイギリス人作家との対比が興味深かった。しかもその批判をきちんと収録し淡々と活動方針を述べる事務局責任者が良い。アマゾンで安い値がついていたけど売り上げ寄付付きなので定価で買いました。2016/02/17
朝比奈さん
18
I'm so happyータイトルにそう続けられる世の中だと良いのにね。「私が兄や弟たちに全く劣っていないことを、いつか証明してみせる」。教育って本当に大事なんだなあ。ブラジルのお話とかオリンピックを見ていてきっと思い出すでしょう。このNGOに関心を抱きました。2016/06/30