内容説明
夫と子供を捨てて竜平との恋に走った弓子。母の出奔後グレて事故死した息子や母の知人に夢中になる娘。この子供らにとって私は何であったのか? 愛の歓びにひたりながら、弓子の心の奥底に罪の意識がゆらめく。ひとりの女のラブ・アフェアが子供や愛人の運命に投げかける陰影を通して女の愛といのちの哀しみをくりひろげる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶっくlover
8
初版は1977年で、40年以上前に書かれた話です。今となっては死語になっている言葉が出てきて、内容とは別の次元で笑えた。2019/08/04
YONE
0
昭和30年代の作品だなんて、とてもとても思えない。寂聴先生恐るべし。2016/10/05
Ayah Book
0
愛する男のために三人の子供を捨てた美しい弓子という主人公が、明らかに寂聴さんを思わせる設定であるにもかかわらず、臆面もなく主人公を他の登場人物に褒めさせ、可愛い女として描き、モテモテ恋愛絵巻を繰り広げるところが流石です。昭和のレトロな雰囲気がおしゃれな恋愛小説。2016/08/24