河出文庫<br> 周防大島昔話集

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河出文庫
周防大島昔話集

  • 著者名:宮本常一【編著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 河出書房新社(2015/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309411873

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内容説明

祖父母から、土地の古老から、宮本常一が採集した郷土に伝わるむかし話。内外の豊富な話柄が熟成される、宮本常一における〈遠野物語〉ともいうべき貴重な一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

33
「明日学校で『話し方』があるという夜は必ず母や祖父にせがんで」話してもらった、「風呂をたいた晩はもらいに来る人の話が」楽しかった…など、話のあとの来歴の一言が面白い。◇戦前の大島、特に宮本の出身集落の近辺で話されていた昔話をとにかく集めたもの。話者は宮本の母をはじめ親族や近所の人びと。柳田国男に預けていたおかげで戦災での焼失を免れ、母の喜寿のお祝いにコピーで出したものだという。◇似た話を違う話者が話してたりして、昔話というのはそのまま記憶されてるのではなく、話者がその場で語りを構成してるのだな、と分かる。2018/03/18

ワッピー

32
宮本常一に興味をもっての再読。周防大島は四国、特に土佐との交流が盛んだったようで、土佐起源の話も多い。また、落語と根を同じくする笑い話、日本全国に聞かれる起源話や換骨奪胎された神話とともに、わらしべ長者のプロセスを忘れた話もあって、本当に語られたものであると再認識。特に興味深いのは「炭とわらしべと豆」で、グリム童話に収録されている話を思い出しました。これは日本にも昔からある話なのか、落語「死神」のように輸入物なのか気になります。巻末の方言一覧も、四国に親戚のあるワッピーには親しみ深い言葉ばかりでした。2023/11/18

HANA

28
著者が子供時代に聞いた昔話の数々が収録されている。内容も百合若大臣の異本や怪談、笑話と幅広い。子供の頃読んだか聞いたような話が多く、読んでいてとても懐かしい気分になった。子供の頃日向で微睡んでいるような気分。このような話を子供時代に家族や親戚から聞く事が、その子の将来にどのような豊かな思い出をもたらすか計り知れないのではないだろうか。著者は後書きで民話の語り部について悲観的な意見を述べていたが、親が子に寝物語にこのような話を語るという事を思えば決してその系譜は途絶えてはいないと思う。2013/01/12

paluko

7
「大島はもう私の幼少の頃のおもかげは何ほどもなくなっている。それほどひらけて来た。そしてそれは大へんよい事だと思っている。祖父や父や母たちの苦労して生きて来た日の事を思っていまはたしかにめぐまれていると考える。が同時に多くの苦労の中を生きぬいてしかも屈せず建設的で明るいものを持っていた祖父や父たちに深い尊敬の念をおぼえる」(196頁)。1956年に書かれた「巻末記」のことば。2025/04/06

Kazuya Nakagawa

4
所々、落語で聞いたことあるような話が紛れてるのはなんでやろうか?研ぎ澄まされた笑い話には何百キロを飛び越える力があるのか?2018/06/30

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