内容説明
新幹線50周年を迎え、N700系などいまなお進化する新幹線をデザインした福田哲夫がはじめて公に明かす公共デザイナーの流儀。新幹線デザイナーによる初の書籍化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
来未
16
新幹線のデザインに携わりプロジェクトチームに参画している著者。彼の仕事に対する流儀が盛りだくさんに詰まった一冊。新幹線のデザインだけにとどまらず、デザイン概論的な部分も興味深かった。自然や日常の中に当たり前のように含まれるデザインだからこそ、機能的であり、万人に受け入れられるデザインが出来上がる。また、イメージを伝える為に具体的な描写よりもスケッチの方がさらなるブラッシュアップが見込めることなどなるほどなと感じられた。自身はグラフィックデザイナーではあるが、デザインの本質を学べた有意義な読書時間であった。2024/11/10
もりけい
6
N700系はとても快適である。揺れも騒音も少ない。おもてなしでデザインされたおかげというのは本書を読むとよく分かる。でも私の好きな先頭形状はいまだに500系。デザインは難しい。2015/09/05
ゆうゆう
4
読んだ感想を一言で言うと、速いはきれい、静かは安全、ということのようだ。それぞれの命題を解決するようで、実は全て繋がっている。新幹線安全神話は、多くの人の努力の賜物なんだと、よくわかった。目標をもつことの大切さ、挑戦し続けるではなく、夢を描き続けるという筆者、mustではなくlet'sの姿勢は励まされる。2018/01/19
ishicoro
3
プロのインダストリアルデザイナーが何を意識してデザインを仕上げているのかわかる内容でよかったですね。著者は観察眼があり、その積み重ねにより良いデザインが結果として付いてくるんだなと。先日も新幹線で帰省の際にいつの間にか寝てしまいましたがそんな空間を作るのは簡単ではないのかなと。N700ではエリアルールを意識したデザインがされている点とか工学的な視点からも興味を持てる内容でした。2018/01/04
yyrn
3
車両のデザインと言えば水戸岡鋭治の本を過去に何冊か読んでいたので、それらをイメージして読み始めたら全く違っていた。図面も写真もなく、著者の工業デザインにかける様々な思いがラフスケッチとともに綴られている。デザインがカタチになるまでの多くの関係者らとのかかわりや、新幹線の機能を最大限に引き出す外観の特徴的なデザインをはじめ、室内の材質や照明、イスなどのデザインでは目には見えない”しつらい”の大切さなどの話もあり、デザイナーとしてのこだわりと人生訓がぎっしり詰まった本だった。2015/09/26