内容説明
2001年にクラウゼヴィッツの「戦争論」の新訳が30年ぶりに出版されたことを受けて、クラウゼヴィッツの人物像、「戦争論」成立の時代背景から現代の安全保障・防衛の実態、ビジネス戦略への応用まで研究者4人が多角的に分析する。【目次】クラウゼヴィッツの人物像と『戦争論』-『戦争論』成立の背景とその内容/『戦争論』はいかに読むべきか/『戦争論』から見る日本の近代の戦争/帝国陸軍の戦争観-クラウゼヴィッツ『戦争論』誤解釈の観点から/現代の戦略問題とクラウゼヴィッツ『戦争論』/軍事組織におけるナレッジ・マネジメント/今なぜクラウゼヴィッツか-『戦争論』の現代的意義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すみの
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パラ読み。分厚いのに新書っぽい読後感2016/09/14
Takase von Kriege
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この中に所収されてる李鐘學「(イジョンハク)『戦争論』はいかに読むべきか」がおすすめ。 『戦争論』は絶対戦争の福音書として誤解されているが、「Der Krieg ist nichts als eine Fortsetzung des politischen Verkehrs mit Einmischung anderer Mittel」という有名な記述でも知られる通り制限戦争を現実の戦争として位置付けている。『戦争論』の誤解の理由について詳細に書かれている。難解な『戦争論』も本書を併読するとよいかも2013/12/16
Kenichi Kawabata
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764 戦争を経営戦略と置き換えると、その戦略を終えた時にする評価と反省こそが大切であると再認識した。「研究と観察、理念と経験は相互に相手を保証し合う関係にある」という姿勢でPDCAを回してこそ、戦略の前提が変わりつつある外部環境の変化にいち早く気づくのであろう。そのパラダイムシフトを自らしかけることが、中小企業におけるゲリラ的限定的な戦術になると思った。「臭いものには蓋」では、ピンチをチャンスに変えることができないのだとつくづく思う。2013/10/17