小説 太田道灌

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小説 太田道灌

  • 著者名:童門冬二
  • 価格 ¥540(本体¥491)
  • PHP研究所(2015/08発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569565965

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内容説明

室町幕府の権威失墜とともに、関東は長い戦乱状態に入っていた。江戸城を築城し、軍事と歌に秀でた武将・太田道灌は、上杉家の滅亡を阻止するため獅子奮迅の活躍をしていた。しかしその才気はあらぬ誤解を招き、ついに謀略の魔の手に倒れた。道徳と秩序が乱れた世の中で、己の美学を貫き通したそのさわやかな生きざまを余すところなく描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TheWho

12
江戸城を作った人物として有名だが、かなりの歴史通でも事績や人物像を把握していない太田道灌。これも複雑極まりない応仁の乱を超えて更に複雑怪奇な関東争乱の中で、彼の足跡を更に分かり辛い物にしていると考えられる。前読の駿河守護家今川氏の家督相続の北条早雲や、長尾景春の乱等の物語では、共に巨人としての太田道灌が描かれていたが、本著では、有能だが、より人間臭い道灌が際立っていた。また道灌暗殺に早雲が係わっていたと云う行は如何なものかと思いますが、面白い展開の1冊です。2021/08/03

スー

8
太田道懽を知りたかったので探しに探しようやくたどり着いた本なので期待していました。自分の中の道懽像では清濁併せ呑む文武両道ので大所高所から物事を判断出来る人物と思っていました。この本では欲望にまみれた世の中で爽やかに生きようとするも周りから理解されず主や父親からも憎まれ暗殺されてしまう悲劇の名将。もっと違う人が書いた太田道懽を読んで比べてみたいです。道懽の暗殺の黒幕は伊勢新九郎で道懽が全く気付かないのはどうかなぁ~。2017/06/02

masa

3
江戸城を作ったのは徳川家康だとてっきり思っていたが、 先日太田道灌だと知り読んでみました。 本書では江戸城の築城についての場面はまったく描かれて いなくて残念でしたが、室町時代の関東の争いの中、爽や かに生き抜いた武将としてとても惹かれました。 彼は最後主人に暗殺されます。 悲しいことですが、歴史をみれば、その主人はまったく 評価をされていないし、反対に道灌が築城した江戸城は 見事に東京のシンボルになっている。 すごいことだなあとつくづく思いました。2014/01/23

emi

3
江戸城で有名な太田道灌の生涯を描いた小説。今はもう絶版の珍しい本でamazonの出品者からの購入。太田道灌の名は知っていても、その詳細は知らない事も多く、小説スタイルで読みやすかった。また中世関東の書籍は数もそれほどないので貴重。「爽やか」な生き方という言葉そのものには違和感を感じなくはなかったが、混乱した時代を信念を貫き生きた人なのだと思う。資料が少ない時代なので多くは著者のイメージもあるかとは思うのだが、道灌の考えそのままなのだろうとも感じてしまう。死に場所を求める気持ちは分からなくもなく切ない。2011/06/30

BIN

3
太田道灌を主人公とした珍しい作品。周りが濁っているのに一人清く高潔に生きた男を描いていた。周りからの悪意にもがく姿も人間らしく良かったと思う。自分の生涯に筋をもって生きていけると言うのは素晴らしい。2010/11/06

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