内容説明
タイドプール、それは小さくてきびしい世界。そんな場所で私たちは身を寄せあって生きている。父親の再婚をきっかけに、家族や友だちのことで悩む少女の姿を、タイドプールの生き物たちの世界と重ねて描く秀作。第47回講談社児童文学新人賞佳作受賞!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつき号
12
大人も子どももここらで出来上がり!ということはない。いくつになっても積み上げる積木はあるし、ノートに白いページが残っている。上手く言葉にならないけれど、じたばたしたり我慢したりぶつかったり、そういうことを省略せんように生きたい。最後に表紙見たら…すみれに目が。こわい。2016/09/10
びすけっと
3
2007年3月刊。冒頭からおもしろい!「インターホンがなったのでドアをあけたら、お母さんがとどいていた」(p.3)(゚O゚) 。60円のアイスの棒で指揮をする音楽の先生、グラタンにたくあんを入れる新しいお母さんことマコさん、100%パルプでやりとりしましょうと言うマコさんママのヨシエおばさん。トンでいる人が沢山。タイトルのタイドループってなんだろうと思いながら読みました。家族も学校もその時(潮時)に集った人と調和しながら過ごすところなのかも。えり子は新しい潮だまり(タイドループ)でしっかり成長しましたね。2014/05/13
芦屋和音
2
読書メーターを始める前に読んでいたので記録なしだった。小5のえり子の家に、父の再婚相手マコさんがやって来る「インターホンがなったのでドアをあけたら、お母さんがとどいていた」。この印象的な書き出しがずっと心の中に残っており、再読したらやっぱり面白かった。実母を亡くし、世の中は平等ではないことを悟っているえり子がさらに成長する。するする一気読み。2025/01/21
読書国の仮住まい
2
小学五年生の鈴木えり子が家に帰ると、お母さんが届いていた。 えり子の実の母は二年前に乳がんで亡くなっており、3回目に会うマコさんが今日からお母さんとなる。 ままははモードの彼女にイラついてしまう。 学校では六年生だけが選ばれる鼓笛隊メンバーが気にかかる。 えり子はベルリラが演奏したかったが、何故か指揮者に選ばれてしまう。 タイドプールとは磯辺にある潮だまりのこと。 厳しい世界である一方、小さな生物にとっては身を守る世界でもある。 なんか無理やり終わらせた感が強い。 たくあん入りのグラタンは勘弁なのは確か。2022/02/25
kolion
2
母親が亡くなり父と二人切りだった家に新しいお母さんのマコさんがきた。初めてあってから三度目、マコさんは一生懸命に母親をしようと暴走し脱線し、えり子は苛立って仕方ない。 学校でのこと、友達関係、心を痛めながら、だれもが心に自分の理想を持っていることに気づかされる。どこで折り合いを付けて行くのか?タイドプールは磯辺に住む小さな生き物たちが身を守るうえでの大切な場所のこと。家族もそうなのだ。だけど、それは狭くて厳しい場所なのかもしれない。2014/05/02