ちくま学芸文庫<br> 憲法で読むアメリカ史(全)

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ちくま学芸文庫
憲法で読むアメリカ史(全)

  • 著者名:阿川尚之【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2015/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480095794

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内容説明

建国から二百数十年、自由と民主主義の理念を体現し、唯一の超大国として世界に関与しつづけるアメリカ合衆国。その歴史をひもとくと、各時代の危機を常に「憲法問題」として乗り越えてきた、この国の特異性が見て取れる。憲法という視点を抜きに、アメリカの真の姿を理解するのは難しい。建国当初の連邦と州の権限争い、南北戦争と奴隷解放、二度の世界大戦、大恐慌とニューディール、冷戦と言論の自由、公民権運動――。アメリカは、最高裁の判決を通じて、こうした困難にどう対峙してきたのか。その歩みを、憲法を糸口にしてあざやかに物語る。第6回読売・吉野作造賞受賞作の完全版!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

15
「憲法で読むアメリカ史」と言うよりも「憲法判例から見たアメリカ史」と言う方が正確だと思う。アメリカ合衆国憲法が制定されて以来、憲法の運用そして解釈はいかになされてきたのか、アメリカ最高裁判所の憲法判断を中心にたどる。とても分かりやすい。州と連邦の関係、大統領の権限、奴隷制度…など建国以来起こった様々な憲法上の問題にいかに取り組み、解決していったか。その歩みはアメリカの叡智の結集とも言える。アメリカの影響下で制定された日本国憲法を持つ我が国にとっても大いに参考になるはず。2019/09/11

MUNEKAZ

14
やっぱりある時期までのアメリカ政治のキモは、連邦と州の権限争いにあるよなぁと本書を読んで思う。歴代のアメリカ最高裁判事たちの重要判例を紐解きながら、現代日本のような中央集権国家に生きている身にはなかなかピンとこない、連邦VS州というアメリカ政治史の底流にある闘争がよくわかる。人種差別も中絶問題も州の自律的な立法を尊重するか、連邦による規制を認めるかの憲法解釈にかかっている。そこに判事たちの属人的な要素も絡まって、読み物としても面白い。アメリカの成り立ちが、自立した植民地の連合であることを再認識させられる。2024/02/28

Hiroshi

7
アメリカ憲法の知識がない日本人が読める手軽な合衆国憲法史。日本国憲法を知って読んだ方が良い。1776年に独立宣言をし1783年にパリ条約を結んだが、13州が各々独立したに過ぎなかった。連合規約では徴税権・通商規制権がなく、衆愚政治に陥る危険があった。近代世界で初めて成立した共和国は国王に代わる何らかの統合の仕組みが必要な事が判り、連邦国家を造る。連邦憲法案を作成し、フェデラリスト(連邦派)の活躍で1789年に連邦政府が発足する。合衆国の誕生だ。それから230年以上、修正はあったが1つの憲法を運用している。2020/10/03

叛逆のくりぃむ

6
 本書は、元々、PHP新書から二分冊で刊行されたものである。アメリカな歴史が憲法に、密接に関わるものであることが伺える。2016/07/31

あんどうれおん

4
憲法の制定と運用とを中心に、アメリカ合衆国の変遷を描いた良書。著者一流の軽妙な文章が、歴史に残る重要な判断の数々を分かりやすく紹介してくれる。法の支配の何たるかを考える上でも、大いに参考になる一冊。2019/02/26

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