内容説明
終戦70周年企画! 「終戦」が教える戦後世界の盲点
加瀬英明氏推薦!
70年前のこととはいえ、現在もなお各国にとって大きな記念日である「終戦」。
世界は必ずしも「8月15日=終戦」とはしておらず、この「終戦の日付」の認識の違いは、日本人が国内外で思っていた以上に痛感させられることが多い。
また、戦後の諸問題の多くの根源は「日本の終戦のカタチ」にはじまっており、領土、戦争被害、戦後補償、外交など、今もなお日本だけでなく世界もひきずっているのが現状である。
本書は、昭和史の中で日本という舞台の中だけで語られがちな「終戦」が、いかにそれをきっかけに戦後体制から現代の諸問題にまでひきずっているかを、戦勝国、敗戦国、戦後の独立国などの世界レベルでの視座から見ていくもの。
本書を通して、日本のマスコミや学校が教えてくれない世界史の中の死角・盲点としての「日本の終戦」が理解できるであろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
19
新書サイズながら内容濃くかつ簡潔にまとまった一冊。戦後70年目の整理・復習に良いと思う。「終戦の日」の定義一つ取ってもこれだけ複雑な、しかし常識として弁えているべき事実を今どれだけの日本人が正確に理解しているだろうか。ましてや遠からず打破すべき46年憲法を頂点とする戦後レジームの実態・成立経緯の理解については推して知るべきか。無知であれば全ての判断を誤ることになる。自称識者の自己主張に陥りがちな大著より、複雑なことを簡潔に、何より日本人として主体的に解説した本書のような作品が現状把握には有益である。2015/08/10
ひろし
16
『終戦』の形一つとっても、これだけ複雑で、しかし知っておくべき内容が多いことに驚いた。本当に、学ばなければ今起きている目の前の課題をどれ一つ正しくクリアできないのだと改めて認識した。学び続けます。少しでも良い『先』を作っていけるように。2015/08/15
ぷれば
12
「8月15日は終戦の日」と思っていたが、世界を見渡すと必ずしもそうとは言えない!?本書ではこの「終戦の日付」の認識の違いと、「終戦のカタチ」により、戦後70年となる今なお、多くの問題を引きずる根源としている。新書サイズ240頁弱の本ではあるが、その内容の充実ぶりとわかりやすさは群をぬく。終戦時の今に繋がる諸問題見直しのためにも必読オススメしたい。2015/10/08
まみか
9
なんとも希望のない終章。'・:*:・。,・:*:・友人から『この先4年間、日本の巻き込まれていく世界の動乱を知るためにも読んだ方が良い』と進められ読了。国連憲章中、敵国条項『第二次世界大戦中に連合国の敵国だった国が、戦争により確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動などを起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は、安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事的制裁を課すことを容認し、この行為は制止できない』。この条項は今後、日本にとっては避けられない問題を連れてきます。2015/12/04
いつかはビーエム
5
戦後じゃない。新たな立ち位置で考えていきたい今の日本は。2019/11/23
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