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内容説明
形あるものはかならず消滅する。しかし日本に数多くの美しい仏像が残されているのは、修復の専門家が連綿と活躍し続けてきたからだ。仏像修復の第一人者が、修復現場でこそ出会えた仏の美と日本人の信仰を明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
83
「文化」と「文明」は似て非なるもの。ある土地に定着し、そこでの暮らしから生まれる習慣やさまざまな営みの総体が文化。異なった習慣や文化を持った人たちが効率よく合理的に営める普遍性を持った社会システムの総体が文明。しかし文明は時に紛争を起こす。なるほど。「文化を大切に」なんて良く口にするけど、日本人って、自分たちの文化を本当に大切に守り育んできたのだなあと、つくづくと思う。文化財の保護にはお金がかかる。それでもやはり大切にしていかなければならないものだと思う。私も穏やかな心で仏様と対話したい。2019/12/04
ひさしぶり
18
日本の文化は言語に見られるようにてんこ盛りで、世界史年表が如実に語るように過去へと一直線に辿ることができる。「伝世古」を可能とした要因だと思う。第4章壊れた仏像は語るー 大寺院の巨大仏も確かに逸話は有るものの、地域の村人が浄財を募り守ってきた仏様は涙出そうになる。松山ふるさと歴史館の千手観音像も被災後修復施され公共に。文化財活用は宿坊、劇場等観光とタッグ組むのが1番かと。うん十年前のお城の観劇良かったな。(過ぎた時代に対して畏敬とロマンを感じ、先人に感謝する)その通りだ!2020/01/16
hanagon44
16
丁寧できめ細かい記述で思いのほか楽しく読めました。「伝世古」:ひとの手から手へ大切に守られ受け継がれてきた古いもの。「土中古」:一度は否定されて打ち捨てられ,土の中や海の底に埋没していたものが,ある時代に掘り出されて再評価されたもの。「伝世古」の文化圏である日本を誇らしく思うとともに,グローバル化や効率化などが幅を利かせている現代において地道に支えてくれている人たちの努力がとてもありがたく頼もしいと感じました。文化の継承は未来への財産。疎かにすることは国として終了フラグがたつことになると改めて思います。2015/09/12
こまさん
1
平易な文章だったため一気に読了。仏像を扱う専門家からみた文化財保存の観点を平易に解説した入門的な本。ひとつ、「伝世古」としてあくまでも「信仰の対象」として残されてきた仏像などの文化財を、単なる文化財としての「モノ」として観ることとは別だとする考えは深く納得した。観る側の人間としても、このことは肝に銘じていくべき。2017/09/11
陸
1
図書館。何となく手に取ったら、せんとくんの作者さんだった。読みやすいし、けっこう面白い。2015/11/17
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