内容説明
勝ち組負け組がはっきりした生きにくい世の中で、癒しを求めていろいろな場所やものを訪ねた「第1章癒しの礼拝堂」。勝ち組トップ、だれもが羨むセレブとはいったいどういう人たちなのかを観察した「第2章こんにちはセレブ」。どんなときでも逞しく! 「第3章ポジティブシンキングコミック アミー」。3章立てで世の中と自分を笑い飛ばす、もしくは、ブラックにこっそり笑う辛酸なめ子の真骨頂。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
12
辛酸なめ子研究2冊目。単行本は2003年白夜書房刊。すでに芸が確立されている。前回読んだ「ニガヨモギ」では清水ミチコを連想したが、今作では大槻ケンヂを感じた。スピリチュアルへの興味と霊感商法への嫌悪が同居する少数者の感性。スタイリッシュを追求するあまり、似非スタイリッシュへ激しい弾劾を繰り出す一本気。自らの屈折をじゅうぶんに承知しながら狂っているのはアナタも同じでしょ?と迫るカリスマ性。ナンシー関が「である」体であるのとは異なり「ですます」調でこっそり懐に入り込んでくるだけフォロワーも多いと思われる。2020/03/10
てふてふこ
12
初版2003年。オノ・ヨーコ、相田みつを、美輪明宏、森光子・・・テーマの対象を恐れず、若い頃は怖いもの知らずとばかりに毒気が溢れています。数あるなめ子さん作品の中で上位に来る面白さ。漫画も多くて凄く楽しめました。2014/05/18
shizuca
6
笑った……。ブハッという(笑)でなくニヤリっという(笑)。表現のしかたが作者さんの味があるので、暗黒の気分になったときのストレス発散でよんでいます。2015/08/17
鬼灯の金魚草
2
この人も美大出身だった。確か、サイバラが言ってた。美大出身の漫画家は絵が下手だと。この人の毒はじわじわくる。疲れてるときは笑い方がおかしかったのが自分でもわかった。2014/08/08
まっちょん
1
10数年前の作品だからギリセーフの内容。何かと規制の多い今だったらアウトかも。中々踏み込むのに勇気がいる題材を下品にならずに毒を吐けるのはなめ子さんしかいないと思います。アミーってあのアミーですよね。そしてお嬢まで登場。さすがです。2016/11/13