内容説明
ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りし始めた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。人間の心に潜む善と悪の葛藤を描き、二重人格の代名詞としても名高い怪奇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
214
善悪に代表される2面性を、SとMという2面性から本作を見てみると、「社会的高位の人にMが多い」という説とは相反する内容となってます。しかしながら、単なる否定ではなく、いずれか片方に振れてしまうことになるとも読めます(勿論統計的云々は無しですが・・・)。人は様々な2面性を内側と外側というこれまた2面性の中で狂わずに生きているというある意味奇跡の生き物なのかもしれないと、そんなことを思ってしまいました。2023/05/19
海猫
205
スティーヴンソンは「宝島」を何回か読み直している。「ジギルとハイド」はタイトルがあまりに有名だし、○○○○を扱った話であるというのは知っていたけれど、小説は初めて読んだ。怪奇で奇妙な出来事があって殺人事件も起こるものの、最終的にジギル博士の独白で真相が明らかになる構成。だから○○○○のことを知らずに読んだ方が面白かったろうが、仕方がない。にしても、こんな話だったんだ!という驚きはあったし、作品の格調、ゴシックな雰囲気、語り口の工夫など読みどころは多々ある。歪んだ欲望に流される良識人の話としても納得感あり。2023/08/06
ykmmr (^_^)
178
今の時代だと、認知されやすい二重人格も、この時代だと認知も少なく、この小説も斬新で受けたんじゃないかなあと推測。まあ、身体まで変わってしまうケースは、いつの時代もないから、この小説の『世界』であるだろうとまずは思う。そんなファンタジー要素を取り入れながらも、実際はミステリー。自分の本心と互い違いの行動をしてしまい、ある一時の感情ですら波がある苦悩。自分もうつ病経験があり、その辛さは凄くわかる。何もない時は、人格に問題がある人を辛口で叩く訳だけど、自分がそうだと、色々な感情を同時に持つ苦悩は計り知れない。2022/07/28
こーた
161
ジキルとハイド。読むのははじめてだけれども、さすがにその正体は知っているのである。夜の街を闊歩し、悪行を繰り返す恐怖の小男ハイド。ジキル博士は内なる欲望をいかにして解放し、あるいはまた食いとめようとしたのか。善と悪の葛藤、その正体が明かされる過程は?ふたり(ひとり?)のことはよく知っていても、博士の親友にして探偵役アタスンの存在は知らなかった。その友情と知性に脱帽。オチはわかっていながらも、存分に愉しめる二重人格モノの元祖。【ガーディアン1000冊】14冊目(SF&Fantasy:4冊目)。2018/02/19
absinthe
155
とにかく面白かった!名前だけは聞いたことがあるが、読んだことは無かった。そういう人が多いらしい。心理学の本など多重人格の話題では代名詞のように扱われる。読んでみると、それほど単純では無かった。善良なジキル博士と悪のハイド氏。二人の関係はどういうものなのか、探っていくのが本書の流れなのだが。ジキル博士の長い独白が魅力たっぷりで惹きつけるものがある。善と悪と言うのは見かけほどはっきり分かれているものではないらしい。2024/12/12
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