新潮文庫nex<br> 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

個数:1
紙書籍版価格
¥649
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫nex
御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

  • 著者名:島田荘司【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2015/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101800257

ファイル: /

内容説明

進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う――。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハイに秘められた記憶。名探偵となる前夜、京大生時代の御手洗が語る悲哀と郷愁に満ちた四篇の物語。『進々堂世界一周 追憶のカシュガル』改題。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

155
御手洗潔が学生時代のころ、若い予備校生相手にミステリーというか人生の機微に触れるような話を4つしてくれます。京都の雰囲気がよく感じられます。最後の話が読み出がありましたが、島田さん本来の大仕掛け的な謎などがないので少し残念な感じでした。2016/01/28

Tetchy

147
物語作家島田の手腕はいささかも衰えていない。心に痛く響く物語が収められている。同じような経験がないのに、それぞれの物語の主人公の心象風景色鮮やかに眼前に繰り広げられるのはこの作家の筆力の凄さだろう。そして特徴的なのは本書では御手洗潔は推理をしない。御手洗の海外放浪記であるとともに世界の歴史の暗部を書き留めておく物語でもあり、彼が名探偵となるための通過儀礼だったのだろう。人間の卑しさを知った御手洗がその後弱者の為に奔走する騎士となる、そんなルーツが知れるだけでもファンにとっては読み逃してはならない作品集だ。2015/07/11

シナモン

113
購入本。憧れの京都で予備校生活を送るサトルは京大近くの進々堂で御手洗と出会う。御手洗が語る世界旅行の思い出話4編が収められている。どれもなかなか深く、重いストーリー。なかでも「戻り橋と悲願花」は読むのも辛くなるほど悲惨でした…。どの時代にも、自身が置かれた状況で必死に生きてる人たちがいたんだなとじーんときました。2019/10/11

chiru

105
語り手は御手洗潔。 聞き手は予備校生のサトルで構成される短編集。 日本で風船爆弾製造に協力させられる朝鮮人姉弟の話や、シルクロードの交差点の路上で暮らす元スパイの老人の話や、発達障害の少年と応援し続ける父親の話…など。 文章を目で追いながら、自分もそばで見てるような感覚で入り込んでしまう。『弱者』の立場で懸命に生きた人を優しい視点で語る御手洗さんがとても魅力的でした。 京都の有名な観光名所が話の中にたくさん登場するから『進々堂』もありそう…あるなら行ってみたいな。 ★52018/09/09

mocha

98
若き日の御手洗潔が、世界を放浪して巡りあった物語。まだ占星術の片鱗もない京大生で、それほど変人でもない。「シェフィールドの奇跡」では障害を持つ青年と父親。「戻り橋と悲願花」では日本軍に虐げられ続けた韓国人姉弟。「追憶のカシュガル」ではスパイ活動で人々を裏切った老人。それぞれの苦悩の物語。どの話もラストに光はあるが、つらい内容だった。2016/04/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9213703
  • ご注意事項

最近チェックした商品