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内容説明
「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」の句で始まる吉田松陰の『留魂録』――。自身が処刑される直前、松下村塾の門下生に向けて書いた文字通りの“魂の遺書”だ。牢獄の中から愛弟子たちへ切々と最後の訓戒を述べ、死に直面して悟り得た「死生観」を書き記したその内容は格調高く、現代でも読む者の心を打たずにはおかない。事実、松陰が遺した『留魂録』は長州藩士を中心に回読され、志士たちのバイブルとなり、幕末維新の原動力ともなった。本書は、そうした凄まじい“感化力”を秘めた『留魂録』のエッセンスと後世に与えた影響を、「大和魂を伝承せよ」「誠を貫け」「後世の評価に委ねよ」「学問の力を信じよ」「志を継承せよ」「尊王攘夷を実現せよ」「京都に学校を創れ」「死を恐れず志を全うせよ」など、30ポイントに分けて解説していく。死して時代を動かした男の“魂のメッセージ”が現代に甦る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana
46
吉田松陰氏の凄さについて熱弁され、図書館で借りてみた本。タイトルから浅めの知識が簡明にまとまってる程度かと思ったら、処刑前に書き遺した留魂録の概要の後に、主な門下生一人一人の生涯と松蔭氏の影響が丁寧にまとめられており、わりと骨太というか志を感じる内容でした。彼の尊王攘夷思想やその実現のための行動にはテロリズム的危うさがありますが、門下生との接し方には深い真心があり、30年の生涯で与えた影響の大きさは確かに凄まじい。学ぶことの切実さがひしひしと伝わり、今の時代なら彼は何を教えるんだろうと考えさせられます。2019/03/13
maito/まいと
15
吉田松陰が残した魂の叫び・留魂録。この書籍のダイジェストを通じて、松蔭の生涯と弟子・関連人物の生涯、松蔭死後の松下村塾や吉田家、松陰神社設立秘話までを網羅した1冊。さすがの安藤本、元々の情報量の多さを感じさせない書きっぷり!この本で松蔭関連の大筋の流れが理解できる、非常にオトクな文庫。松蔭自身を知るにもオススメだ。ちなみに、松蔭が残した膨大な著作を弟子達が書写し他藩に広めたり、書籍を題材にして、定期的に集まって読書会(この時代は会読形式)を開催していたという、微笑ましいエピソードも紹介されている。2020/05/19
Рома
3
その死によって多くの志士を動かした吉田松陰の魂とも言える「留魂録」を解説した本。私は特に真摯に話せば心は伝わる、生死よりも行いの方が大事であり死んでもその行いによって生き続けることができるという事に感銘を受けました。さらに吉田松陰の門下生の紹介(久坂玄瑞、吉田稔麿、高杉晋作、木戸孝允など)や明治維新後の松下村塾についても書かれており、松陰先生だけでなくこのように優秀な人材や跡継ぎがいたからこそ明治維新を成し遂げられたのだと思います。2017/10/31
えりねっと
1
夫に借りて、読了。2017/01/28