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内容説明
昭和36年7月――。敗戦から立ち直り、戦後日本が復興から高度経済成長に進むなかで国民生活は安定し、将来に対する明るい希望や意欲が湧いてきた時代であった。しかし東西冷戦のイデオロギーや戦後民主主義など、思想や教育の混乱により、日本人の誇りや美徳、伝統的価値感は喪失されていく。当時の若者たちにとっては確固たる人生の目標を見失い、決して明るいばかりの世相ではなかった。本書は、東洋学の泰斗として数多くの敬仰者を集めた著者が、前途有為の若者たちに3泊4日の研修会で東洋思想の真髄を直接語りかけた珠玉の講録。「現代文明の堕落」「人生と機」「命は我より作す」「富貴と貧賤」「素行と自得」「日本人の反素的傾向」「人間と環境」「艱難に素しては」「運命と宿命の違いとは」「無心ということ」など、流動の世を生き抜く叡智を学ぶ人生指針の書。我が命はどういうものであるか――。本当に知るとは、創造することなのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
9
再読。【「自得」=自分で自分をつかむ。人間は自得から出発すべきで、金や地位などは枝葉末節。ところが、人間は自己を最も失いやすく、そこからあらゆる間違いが起こる。まずは己の命(絶対的・必然的な何か)を知ること(知命)、すなわち自得が重要である。そして、自得するには学問修養が必要。自得すれば、自ら自分の命を創造することができるようになる(知命)。自得した人物を社会は決して捨てておかないから、自得することが社会で活躍する近道でもある】自分を見失い世の中に流されるまま生きていては駄目だよ!ということですね。2022/08/26
コサトン@自反尽己
5
同年春に読んだ関西師友協会にて発行の同名の書(市販対象の刊行ではないため、小生にてオリジナル登録済)とほぼ同じ内容の編集のため、詳細な感想は省略とす。安岡師の関連本としては比較的わかりやすい内容ではないかと。初心者にはお薦め。2013/12/25
アイマール
1
・機というものはツボとか感どころとかいうものであって、その一点で全てに響くような一点を機という。そこで気を外すというと響かない、つまり活きない。 ・一切の事というのは何かの機、何かのはずみで変化する。そういう何でもないもののようでいて、特異な、大変なことが勃発するような点、シンギュラー・ポイント、自然はそういうシンギュラー・ポイントに満ちている。 ・その心を盡すも者はこの性を知り、その性を知れば則ち天を知る。 ・根本的・本質的に、人間はまず何を得るか、まず自己を得なければいかん。本当の自分をつかむ。自得。2022/02/13
大先生
1
普通の人は運命というものを宿命的に考えているが、運命と宿命は違う。人間が浅はかで無力であると宿命になり、人間が磨かれてくると運命になる。運命は、自分で自分の命を創造することなんですね。「女房と畳は新しいほどよい」「バカ殿」の本当の意味も知りませんでした。私は、てっきり、女房と畳は取り換えるほどいい。バカ殿とは志村けんのことを指すと思っておりました。これからは、正しい意味で覚えておきます。正しい意味が気になったあなた、是非この本を読んで下さい。読んで損するはずがありません。2018/09/07
もちこ
1
すぐ読めた。とりあえず日本の歴史に残る思想家ということで読了。Wikipediaによれば著者は戦後の黒幕と呼ばれた人だとか。晩年、細木数子と騒動を起こしたというのが無念。2015/01/02




