内容説明
東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった? 明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。 『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
378
非常識だ、ありえない、と、葬り去られる命。体はもう子どもを産める体に成長しているのに、世間が家族が、それを許さない。結婚して出産することと、15歳で真剣な恋をして妊娠することの違い。命の重さ、正しさ、感情、不条理について考えさせられた。夫の海外赴任を機に、出産のため実家に帰省した遼子。両親と妹の間に流れる「何かが」おかしい空気。違和感の正体が明らかになり、明るい方向で終わるのかと思いきや、最後の1ページで作者の悪意が炸裂する。思わず「えっ?」と声を出してしまった。油断ならない作家だ。もちろんいい意味で。2015/08/14
紅はこべ
356
家族をテーマにした心理的ホラーかな。主人公が長子にありがちな性格的優等生で、それが父や夫の欠点に目をつぶらせていたのかも。この夫、隠れモラハラ男に見える。妹も本当にビッチかも。改行の多いのが気になった。2015/05/19
barabara
302
大好きな近藤史恵の新作、すごく楽しみにしてた。あらすじからして、何とも形容し難い家族の溝を、近藤さん独自のひたひた琴線に触れるような文章で味わえるのを待ちわびていた。のだが…溝の所以は結局のところ明らかな理由があり、何とも形容し難い「家を出て行った人」とそうでない人、との温度差は場外のような物になってしまい、些か残念なストーリー。期待していたモヤモヤ感情はあっけなく終わり、最後は…。理由なき温度差、こういうのを書いてほしいし、近藤さんなら書けるはず。完2014/12/06
hiro
246
東京で暮らしている出産を間近に控えた主人公遼子が、夫の仕事の関係で、急遽大阪の実家に帰り出産することになった。しかし、実家に戻ると仲のよかった両親と妹美和の関係がギスギスしていたり、思いもかけないことが起こる。先ほど文庫化された『ホテル・ピーベリー』を読んだときも感じたが、近藤さんのミステリーは、読み出すと止まらない。今回は臨月の遼子が追い詰められていく描写で、一気に最後まで読ませるのはさすがだと思う。でも、一番のミステリーは、大阪出身の近藤さんが、大半大阪が舞台なのに会話文が大阪弁でないことだ。2015/01/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
197
里帰り出産のために実家に戻ると家族が・・・って話。重い話でした。2017/11/14
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