連歌とは何か

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連歌とは何か

  • 著者名:綿抜豊昭【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 講談社(2015/07発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062583732

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内容説明

中世人がもっとも愛した文芸の全貌。創作しつつ味わい、味わいつつ創作する、機知と友愛のアート。二条良基・一条兼良・宗祗ら天才の仕事を軸に、能・茶・花をしのぐほどの人気を誇りながら、近代とともに忘れられた文芸の全歴史をたどる。[本書の内容]●長連歌の世界●連歌会の空間●式目の世界●「水無瀬三吟百韻」を読む●連歌七賢●天才宗祗とその弟子たち●安定と停滞 (講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

軍縮地球市民shinshin

16
連歌の入門書としては良い本。連歌観賞と、連歌史の記述が多い。連歌は戦国時代に最も流行した。かの明智光秀の有名なあの歌もそうだ。里村家が江戸幕府お抱えの連歌師になると、儀式化してしまい江戸時代は衰退してしまった。江戸時代は俳句の時代なんだろう。もっとも興味があったのは連歌師が戦国時代、情報屋として活動したことだが、さほど量は割かれていなかった。例として挙がっていた八戸南部氏の事例はなかなか面白いが。 あと誤植が目に付く。徳川2代将軍は「家忠」ではない。さらに「最上義光」は「もがみよしみつ」とは読まないよ。2020/01/16

maqiso

5
平安貴族が和歌によるコミュニケーションを日常的にする中で連歌が生まれた。鎌倉時代には賭け事として遊ばれたが、形式が整い天神信仰とも結びついて准勅撰という権威を得た。宗祇とその弟子は公家や大名たちとつながり、連歌が繁栄した。江戸時代になると幕府や藩の儀式となり行事として完成される。連歌全体での質を上げようと細かな式目が考案されたが、逆に内容が固定化して文芸としての面白みがなくなったというのが面白い。2023/01/15

金監禾重

5
戦国武将を調べれば何かと出会う、連歌。島津家久も京都滞在中は観光、酒盛り、連歌の日々を送った。明智光秀は本能寺の変の直前、連歌を求めた。中世のコミュニケーションツールとして盛行したものの、指導者(連歌師)の価値を高めるために細かいルールを設定し、かえってその不自由さから芸術性や娯楽性を失い、衰退したという印象を受けた。連歌師里村紹巴は短気で顔が怖く、みな恐れたという。島津家久を細やかにもてなしたが、短気のエピソードがしっかり家久の日記に記されてしまった。2021/12/25

山がち

2
再読になるが、印象はかなり違った。良くできているという印象があった。初学者の私でも良く楽しめる。連歌師に関して、本書で描かれているのは歌人的要素が少なく、むしろ外交官的という印象を受けた。本書にあるように宗祇は「プレゼンテーション」が巧みであり、それを利用しながら自らを売り込んでいく。情報の媒介者であったり、紹巴のように政治に携わったりしている。そういった、連歌師の描き方が興味深く、他の本よりもそういった傾向が強いように感じた。また、本文中の連歌に関する説話は他本と重なるものが多く、かなり有名なのだろう。2013/09/27

山がち

2
どちらかというと連歌論とはいえ連歌の歴史あるいは展開の概略に近い。連歌自体の文化的位置づけや、その鑑賞等は本書ではやはり不十分だと思う。この程度であれば、小学館の全集の解説などで事足りるのではないか。もっと、連歌に関する周辺事項(歌会がどのように催されるのかなど)を書いてくれないと、「連歌とは何か」というものに対して答えられないように思う。おそらく連歌そのものについて知りたいと思って手に取った多くの人にとっては物足りない本になったのではないかと思う。そのような考えならば「連歌入門」の方がずっと適している。2012/04/21

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