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内容説明
地球上の水のほとんどは海水である。人類が使用可能な淡水は、大部分が私たちの足下を流れている地下水なのだ。その量は地球上の水の0.66%にすぎない。しかも一度使った地下水は、再び同じ量が涵養されるまでに、長い歳月を要する。この貴重な資源を科学的に見つめながら、水脈の探し方、井戸の掘り方、汚染対策など最新知識も満載の「水」の見方が変わる本。水質が一覧できる「名水百選ガイド」付き! (ブルーバックス・2009年5月刊)
目次
はじめに
第1章 その価値は石油にも等しい
第2章 地下水を味わう
第3章 こんな場所にも地下水が
第4章 地下水、その多様な姿
第5章 地下水を掘る、探る
第6章 過剰なくみ上げ、沈む地盤
第7章 汚される地下水
第8章 地下水と人間の未来
あとがき
日本地下水学会市民コミュニケーション委員会について
付録 名水百選ガイド
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
60
著者は東京大学文学部卒の方。なのに、理系というか工学に関わるテーマを卒なくまとめておられて、さすがと云うか、感心した。本書は2009年刊である。情報的にどうかなと心配したが、近年も売れているようだ。 やはり、目配りが効いた優れた本なのだろう(門外漢の吾輩が評価するのも僭越なのだが)。感想めいたことなどは読みながら随時このブログ日記で呟いてきた。地下水の科学全般を把握するのに相応しい本だと思った。本書で指摘されている課題の現況が気になるところだ。2025/12/04
calaf
13
地上の水のほとんどは海水。淡水は極一部。その中で大部分を占めるのが氷河。そしてその残りの大部分は地下水。河川や湖沼として直接目に入る事の多い淡水は、人間の使える淡水という中でも極々一部に過ぎないらしい...水道水の多くは地下水に頼っているとか、結構思い違いをしていた事に気付かせてくれた本でした。2013/01/29
竜王五代の人
8
地下水の、利用と、その問題となる枯渇と汚染を中心に据えた本。世界の地域によって異なるとは言え、涵養には世代、時によって地質学的年代が必要な、ある意味石油石炭と同じような化石資源であり、その需要もまた人類にとって重要であることが丁寧に説明されている、為になる本であった。2025/08/03
つゆ
6
バイオレメディエーションとは微生物を用いて土壌環境内の汚染物質を除去する手法。無農薬栽培の一つである有機栽培であるが、動物の堆肥を化学肥料の代わりに用いる場合は過量な硝酸性窒素が土壌から地下へ染み出し、地下水汚染を招いていることで知られる。地下水は目に見えない部分である。土壌を通して濾過された地下水を我々は自然の恵みとして享受しているが、過去の循環活動の一部かつ限りのある資産であることを念頭に置き、山林、森林、河川、土壌、海、と連続性を感じながら大切に使うべき。2022/03/25
takao
5
新・名水百選 青森県 十和田市沼袋の水、福浦町沸壺池の清水、中泊町湧つぼ 2020/03/01
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