- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
ミイラのない石棺、用途不明の建築群、王のシンボルが示す政変の痕跡……「解けない謎」に迫る! いったいピラミッドとは何なのか。王墓なのか、そうでないのか。古代エジプト文明と、あの巨大な建築群はいかにして生まれたのか。メソポタミアや地中海世界、ナイル源流アフリカとのインタラクション、サハラ砂漠が緑のサヴァンナであった可能性、王のシンボル図像が物語る動乱と変革の痕跡、ミイラのない石棺、ピラミッド・コンプレックスの構造……大胆な構想と精緻な分析を武器に“文字以前(ヒエログリフ)”の歴史を描き出す! (講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K
2
「ピラミッドはなぜ作られたのか」この答えの出ないに立ち向かう考古学者の解説がわかりやすい。ピラミッドが建てられる前後の文化背景と周辺環境などを丁寧に整理してくれている。ギザの三大ピラミッドもいいけど、ネチェリケト王の階段ピラミッドも興味湧いてきた2025/04/18
ぎゅー
0
ピラミッドを通じて、エジプトの歴史や当時の生活、そしてピラミッド自体の構造について語られています。 様々な謎が解き明かされていく中でも、未だピラミッドが持つ謎は無限の広がりがある。まだまだピラミッドから知ること、学ぶことは多いようです。 ピラミッドのことについて、少しわかったような気がします2016/05/08
Mentyu
0
神話や環境、そして王権の始まりなど様々な分野に目を向けてピラミッド建造の背景を描き出すことに力を入れている。自分は初期王朝時代や先王朝時代についての知識があまりなかったので、その辺りを知ることができたのは良かった。2013/04/19
わたる
0
ピラミッド以前を扱っている。古代エジプトの社会・文化はナイル河谷内部だけで説明できる閉鎖的なものではない。すなわち土着のものだけでなく外部との接触も視野に入れる必要があり、著者はそれをカレー鍋のような文明と例える。また、ピラミッドを考えるにしても幅広い分野の知識が必要だ(環境、天文、建築、…)。古代のような歴史を扱う場合は仮説と根拠のバランスを上手くとって周囲を納得させる必要がある。著者が持論を述べるだけというよりも、読者に問題を提示してくれるような内容。2012/10/24
マロソ
0
古代エジプト文明の代名詞的存在として人々を魅了しているピラミッド。しかしその正体は実は多くは明らかになっていない。本著ではピラミッドの出現以前~確立期直前を取り扱い、その時代背景や思想を追いながらその意味を探っている。複雑な地下墓壙からマスタバ墓や更に階段ピラミッド、次第に真正ピラミッドへ変遷、複合施設としての体裁を整える。ピラミッド出現以前なんて今まで考えたことがなかったので新鮮。但し後半では神話に依拠した論も多くなる分、文字資料と言えども解釈に慎重さが問われるなと。著者の持論や結論も期待したが薄い。2012/07/16