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内容説明
どこかしら「過剰」だからこそ作家なのだ--。小説新潮の編集に約30年携わり、同誌の編集長もつとめた著者が、鬼籍に入った思い出深い著者たちの記憶をたどる。渡辺淳一、山村美紗、遠藤周作、水上勉、井上ひさし、城山三郎、久世光彦……総勢21名の作家たちのそれぞれの業(ごう)を秘話満載で描く。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
45
編集者から見た作家の生態を描いた本は大村彦次郎が有名だが、あちらが純文学系が中心なのに対し元「小説新潮」編集長の手になる本書は大衆文学系が大部分。人間臭さでは断然後者だ。直木賞に頭を焼かれてしまった面々や、酒や遊びで失敗したエピソードは本当なのかと驚くし、各人の奇妙な性癖や死に至る病気の話は初耳が多い。「作家になりたい」意欲に燃えるあまり頭のネジが飛んでしまった文士たちの姿は小説の登場人物のようだ。そこまでしてなぜと思いたくなるが、周囲に迷惑をかけるほど妄執に憑かれた人でなくては本物の小説を書けないのか。2020/10/22
tomi
31
長きに渡り「小説新潮」に在籍し、編集長も9年間務めた著者による、当時の流行作家21人の回想録。曰く、「いい人と評価されるだけの作家であったなら(略)読者に面白い小説を提供することはできない」。病というよりも業が深いというか、何とも凄いエピソードが満載。晩年まで愛人を欠かさず、家に戻ってから妻にいきさつを聞かせていたというモラル皆無の渡辺淳一など、もはや奇人の域。山村美紗の女王様ぶりには啞然。各社の担当編集者が毎年、西村京太郎と合同の新年会と誕生会を盛大に催し、機嫌を損なうと公衆の面前で大声で叱責→2026/03/25
ナディ
16
夢中になって読んでしまった。作家であること、あり続けること、作家として死んでいくこと。作家という職業はない。作家は人生そのもの。そう考えると、読書好きも病と言える。一人の人生、人生観を辿る作業をしているのだから。2015/09/23
たくのみ
15
大衆うけする「飢餓海峡」ではなく純文学をめざした水上勉、「旗ふるな、旗ふらすな」に託された、城山三郎の戦争扇動への反感。バーのママの余技と言われることを嫌った山口洋子。御馳走しないと気が済まない井上ひさし、常識と反常識の同居する遠藤周作。昭和の文壇の個性的な人々と「小説新潮」の担当編集として、飲み、語った日々の回想録。制御がきかなくなっていく西村寿行、傍若無人な京都パーティーを続けた山村美紗など編集者泣かせの大作家たち。エピソードは面白いけど、当事者はたいへんだったんだろうなぁ。2015/08/06
nizimasu
13
元新潮社の敏腕編集者の見聞きした作家ゴシップが全編を占めていてこれは昔の噂の真相みたいでとても面白く読めた。特に前半は水上勉や渡辺淳一、遠藤周作といった大御所が出てくるのであっという間に読んでしまう。それにしても編集者と作家の関係は猛獣と猛獣使いに例えられるが、西村寿行のようななかば暴力のような理不尽さにも耐えうる仕事である編集者の矜持みたいなものが感じられる。その一方で山村美紗への冷淡な対応なんかもさりげなく書いていて、ここまで書いていいのかと思ったがいずれも鬼籍にはいっているからか、その筆は鋭い2015/07/29
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