世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立

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世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立

  • 著者名:岡本隆司【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 講談社(2015/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062584203

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内容説明

日清韓――利害と政治の歴史を照射する! 朝鮮半島は、東アジアの国際関係史を考えるうえで、きわめて重要な位置を占めている。16世紀の東アジア情勢から説き起こし、江戸時代の「日朝交隣関係」と「清韓宗属関係」の併存、19世紀後半の「属国自主」を検証。そのうえで、近代の日清韓の利害対立、国際関係の行方を追う力作。日清、日露戦争にいたる道とはなんだったのか、大きなスケールで描く。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

81
今に続く日中韓の一筋縄ではいかない関係を改めて考えさせられる。華夷思想に基づく冊封体制に絡め取られ”小中華”と称するまでになった朝鮮。少し離れていて、呪縛から脱した日本。矛盾を孕みながらも静穏な関係は、19Cになり産業革命を経た西洋列強の進出により複雑化。いち早く変節、西洋標準の国際関係を朝鮮に押し付ける日本。宗主国として鷹揚に構えていた清国も属国朝鮮への干渉を強める。「属国自主」に活路を求める朝鮮。日清戦争の後、衰退した清国に代わりロシアが進出。「自主独立」を求めて強国間でもがく朝鮮に平穏は訪れず。2020/02/07

skunk_c

53
江戸時代末期に日清韓の「内向きの外交」による安定が外圧によって崩されて以来、日露戦争開戦までの国際関係史を詳細に記述している。永らく中国との冊封=朝貢関係にあった韓国が、明治維新とその後の日韓関係の中で、「自主=独立」という外交方針と、清との関係の折り合いを付けるのに苦心する様子がダイナミックに描かれる。一方清は琉球処分以降他の冊封国を確保するため、韓国への干渉を強めるが、これが韓国側の反発も生む。こうした力関係の中で日清戦争に突入するプロセスを、2国関係史では見えてこない点まで構造的に説明する。良書。2020/01/08

樋口佳之

27
いずれにせよ、なかなかうまくいいあらわすことができないのは、われわれの思考と語彙でわりきれない事象であるからで、いかに現代人の頭が西洋近代の観念、あるいはバイアスにとらわれているかを逆説的に物語る。/ポイントは、「属国」や「保護」、「自主」や「独立」それぞれに一元化してしまわない中間領域があり、それが一種の勢力均衡をつくりだしていた、というところにある。/「他国の兵が首都に駐留するような国は、その保護国にほかならぬ。そうした軍がなければ独立できないのでは、王には依然として自主の権がないのである。あれれ。2018/05/15

yendows

9
日清〜日露戦争期の朝鮮は各国間のパワーバランスのはなしが本論、明〜清の勃興の辺りのバランスから描かれているのが非常におもしろかった。 「朝鮮にとっては、明朝が支配していた中華の地が、清朝の君臨で夷狄に成り果てた以上、明朝・中華の製陶を継ぐのは、朝鮮じしんしかありえない。だからもはや存在しない明朝を慕う姿勢は、あくまであらためなかった」という、正当感と。その世界観からみると日本は倭寇とかしてるし武士団だしヤカラっぽい国だな〜。というのも。文人国のり李朝から見るとなるほど。2016/04/17

Hatann

8
東アジア国際関係史にて重要な地位にある朝鮮半島を中心に各国間関係を素描する。16世紀に日本列島と遼東半島が勃興して朝鮮半島の地政学的地位が増大した。17世紀以降、日清関係は希薄であるが、日韓交隣関係・清韓宗属関係が併存してバランスがとられる。19世紀に東アジアが欧州帝国主義に飲み込まれると、朝鮮は「属国自主」を掲げて国の存立を保つ。19世紀末にはロシアを巻き込み更に複雑化した。ついつい日中関係に焦点をあてがちだが、中間にある朝鮮の役割を省略すると全体像を見失ってしまう。痒い所に手の届く目利きが素晴らしい。2020/01/04

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